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メールマガジン「オルタ」160号(2017.4.20)

◎安倍「独走政治」を阻むもの
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【オルタの視点】 
安倍の「独走政治」を阻むもの             菱山 郁朗
第二次安倍政権の発足から4年4カ月、安倍晋三首相は国有地格安買収をめぐる森友学園問題で昭恵夫人共々野党の厳しい追及を受けながらも強気な態度を崩さない。トランプ米大統領のシリアへのミサイル攻撃や北朝鮮の挑発など、内外ともに様々な難問や不安材料を抱えながら、安倍の独走態勢に揺るぎはなさそうだ。3月5日の党大会で総裁任期がさらに3年間延長され、2020年の東京オリンピックで、「日本の顔」を世界にアピールしたい考えだ。


【オルタの視点】
ベトナムへの原発輸出の顛末              伊藤 正子
2016年11月22日、ベトナム国会で、ロシアと日本が相次いで計画していた原発建設中止が議決された。3ヵ月前までは想像すらできない出来事であった。議員500人中(一院制)496人が出席、382人(77%)が中止に賛成票を投じた。本稿では、2010年10月に民主党政権下で、菅直人首相(当時)がベトナムを訪問し、グエン・タン・ズン首相とのトップ会談で東南部ニントゥアン省の第2サイトに原発2基を建設することが正式に決まってから撤回されるまでの過程を紹介し、ベトナム共産党の決断の背景を明らかにする。


【オルタの視点】 
設立50周年を迎える生活クラブの近況          加藤 好一
1965年に、東京の世田谷の一角で誕生した生活クラブは、3年後の68年に生協に組織転換し、来年で生協設立50周年を迎えます。この生活クラブの近況についてご報告します。


【オルタの視点】 
ホームレスの自立を応援する「BIG ISSUE」を佐野章二氏に聞く 澤口 佳代
書店では絶対に買えない雑誌『ビッグイシュー』とは?有限会社ビッグイシュー日本・共同代表の佐野章二さんに、映像作家澤口佳代が聞いた。


【オルタの視点】 
TRAILER =トレイラー(動画配信サイト)のテスト版スタートについて                                澤口 佳代
初めまして。1980年生まれ申年の澤口佳代と申します。フリーランスで映像制作の仕事をしています。メルマガ・オルタ代表の加藤宣幸さんにお会いする機会を頂き、オルタで映像版のサイトを作成しようと意気投合しました。何度も話し合いを重ね、その名は TRAILER =トレイラーとなりました。TRAILER という言葉は英語では映画の予告編という意味が一般的です。他に、トレイラーハウスのトレイラーという意味もあります。


【オルタの視点】 
戦後70年の8月15日― むのたけじさんとの長い旅(5)                                       河邑 厚徳
戦後70年の2015年8月15日。その当日もむのたけじさんに密着してカメラを回した。出演のためTBSラジオに向かう車のなかでインタビューした。8月15日の意義を聞くとむのさんは「大きな意義があると思います。やっぱり70年の年月が様々な姿を描き重ねてきたわけですけど、変わらない部分と変わった部分とね、ここ数日いろんな場に身を置いてね。私は変わっていくという動きを感じます。戦争を続ける世の中を許すのか、それとも戦争を終わらせる世の中にするのか、2つに1つです。」


【国民は何を選んでいるのか】 
国政選挙から読み解く日本人の意識構造(1)
安倍首相は岸元首相の「戦前型愛国心」から脱却できるか?                                    宇治 敏彦
「安倍一強政治」が続いているが、「森友学園」問題は安倍首相と自民党に少なからぬ打撃を与えた。「この事件発覚後に決まった南部スーダンからの陸上自衛隊の撤収は、森友事件での安倍内閣のイメージダウンを少しでも食い止めたい思惑からではなかったか」と見る政治家もいる。共同通信社の全国緊急世論調査(3月25、26日実施)によると、内閣支持率が2月調査の61.7%から3月下旬には52.4%と9.3%落ち込み、逆に不支持が5.3%増の32.5%になった。また毎日新聞の世論調査(3月11、12日実施)では森友学園問題に関する政府説明を「納得していない」人が75%に達している。
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【海峡両岸論】
「冷たい平和」はさらに続く~台湾優先度低く、蔡も自制                                      岡田 充
台北の天候は不順だ。特に3月は雨がじとじと降って寒い日が続いたかと思うと、突然かっと晴れて夏日になる。その3月初め、台北に行った。昨年5月に誕生した蔡英文政権の大陸政策と両岸関係の取材が目的である。北京では中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が開かれ、李克強首相が5日「台湾独立の分裂活動を食い止める」と、強い調子で台湾独立を非難したばかりだった。台北では、政府系シンクタンクのトップをはじめ、陳水扁政権時代の高官や国民党関係者らに話を聞いた。
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【沖縄の地鳴り】 
深まる「戦前回帰」                     平良 知二
安倍政権が「教育勅語」を学校の教材として認める閣議決定をした。「憲法や教育基本法に反しない形で」と一定の枠をはめてはいるものの、「教育勅語」についてまさかこんな決定を、と驚くばかりである。「勅語」の朗読を了とする副大臣まで出ている。最近の安倍政権は閣議決定を多用し、国会論議を切り抜ける手段にしている。右往左往する大臣答弁を統一する方策とも見えるが、安倍首相の意思があるのだろう。答弁書の形を含む閣議決定は、内部論議だけで済み、手続き的に簡便である。しかも効力は政府方針として絶対的なものとなる。国家意思を打ち出しやすい。


【沖縄の地鳴り】  
何が翁長知事を支えているか~自己保存と人類保存の能力 
                          国際法市民研究会
故菅原文太氏は、2014年11月1日那覇で、「沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も空気も風も、すべて国家のものではありません。そこに住んでいる人たちのものです。勝手に売り飛ばさないでくれ!」と日本政府を一喝した。沖縄では「そこに住んでいる人たちのもの」が米軍に奪われ、破壊され、汚染され、結果として身の危険や、自然生態系の破壊を感じることが多い。あらゆる生物には「自己保存」と「種の保存」の能力が備わっており、それは「本能」の起源とも、核心ともいわれている。新基地建設への抵抗は、その危機感に裏打ちされた「本能」による拒否という一面がある。なぜなら、軍事基地の集中が、①軍拡競争の蟻地獄、②自然の破壊と汚染、③人間関係の分断と希薄化、④伝統文化の衰退――を実感させるからである。
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≪コラム≫海外論潮短評(115)
トランプ大統領に対する市民と都市の闘い―広がるレジスタンス―                                初岡 昌一郎
長い歴史と伝統を持つ、アメリカのリベラル左派的立場の週刊誌『ネーション』2月6日号が、「ピープル対プレジデント」をタイトルとした特集を組み、これに6人の論客が寄稿している。「シンク・グローバリー、レジスト・ローカリー」という、ベンジャミン・バーバーの主張を取り上げて紹介する。筆者は、ニュ-ヨークに所在するジェスイット系のフォーダム大学法学部が後援する「アーバン・コンソーシアム」プロジェクト(市民運動の連携と市民向け啓蒙活動)のシニア・フェローである。


≪コラム≫宗教・民族から見た同時代世界 
オランダ総選挙で問われたポピュリズム政治         荒木 重雄
欧州連合(EU)離脱を決めた英国民投票、トランプ氏の米大統領就任と、昨年から加速した非寛容や排外主義の流れが欧州をも覆うのかと、関心が高まる一連の欧州諸国の選挙の先陣を切って、3月、オランダ総選挙が行われた。焦点は、ヘールト・ウィルダース党首率いる極右政党「自由党(PVV)」の消長であった。


≪コラム≫中国単信(44) 
「ヌーハラ」を蹴散らせ                趙 慶春
成田行きのリムジンバス乗り場でのこと。筆者の前には日本語が片言程度らしく、心細そうな外国人が運転手から日本語で問いかけられていた。「大変申し訳ありませんが、ちょっと確認させていただきます。お客様はどのターミナルで降りられますか? お分かりになりますか?」


≪コラム≫槿と桜(32)  
包み食文化                      延 恩株
韓国料理店へ出かけて焼肉を注文しますと、「サンチュ」(상추)と呼ばれる野菜が出てくることがあります。今でこそ「サンチュ」という韓国語名称がそのまま日本で受け入れられ、スーパーマーケットにも出回っていて、日本の方にもすっかり馴染みのある野菜となっています。でもこの「サンチュ」が日本で馴染みある野菜になったのは、1986、88年に韓国でアジア大会とオリンピックが開催されたり、激辛ブームなどで韓国への関心が高まり、韓国料理が日本へ大いに紹介され、受け入れられるようになってからだといわれています。


≪コラム≫風と土のカルテ(37) 
患者を「監視」していないか?             色平 哲郎
日々、病院で働いていると、患者さんのプライバシーへの配慮がおろそかになっていないだろうかと自問することがある。忙しさのあまり、プライバシーを二の次にして患者を「監視」してはいないか、と。生命にかかわるような急性期疾患で頻繁な観察が必要な場合はともかく、そうした状態ではない入院患者さんにとって、プライバシーは実に重大なファクターだと思う。


≪コラム≫【酔生夢死】
かくも難しきアリバイ証明               岡田 充
朝早く目覚めた。モスクワ郊外の安ホテル。ベッドのサイドテーブルに手を伸ばしたが、あるはずの「マールボロ」に手が触れない。重たいまぶたを開けると「ない」。テーブルの上に置いたはずのテープレコーダーも消えている。おかしい。起き上がって持ち物を調べた。


≪コラム≫【大原雄の『流儀』】
日本会議と「原理日本」社と……            大原 雄
2017年3月23日、国会での証人喚問。籠池(かごいけ)証言。籠池対安倍「夫妻」とその援軍たちの構図は、「同じ穴の狢」というべき極右同士のバトルの醜さを示す、ものと言えた。森友(もりとも)学園の籠池理事長という男が突然世間に登場した。この男が、今やろうとしていることは、私の目には、こう映る。


≪コラム≫【技術者の視点】(10)
スタ五の響き―ショスタコヴィッチ―          荒川 文生
ショスタコヴィッチ作曲の交響曲第五番(スタ五)をお聴きになって、皆さんはどの様な想いを巡らされるでしょうか?荘重に奏でられるその響きに、ロシア革命が人類に齎した大きな意義と重い負担とが感じられます。伝統的な作曲手法に准じながら、現代音楽に通じる心の苦しみを訴える曲としての構成と旋律は、音楽史における古典から現代への移り行きを反映すると共に、政治的な背景を色濃く映し出すものとも言えましょう。


≪コラム≫【あなたの近くの外国人(裏話)(7)】
日本のベトナム人事情概略              坪野 和子


【北から南から】
中国・吉林便り(15)清明節は衣替え       今村 隆一
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【社会運動】
個人の尊厳が平和の原点憲法13条と24条をめぐって─                                         岡野 八代
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【エッセー】
江田三郎没後40年老いるとは未知との出会い―   仲井 富
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【自由へのひろば】
「在日本法律家協会」から雑誌『エトランデュテ』を創刊する 
                           柳 赫秀


【自由へのひろば】
原州の協同組合運動と韓国の社会的経済生態系                                            金 起燮


【自由へのひろば】
東日本大震災の記憶を語り継ぐ「きぼうの桜物語」創作にご協力を!                                 長谷川 洋一
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■【オルタのこだま】
  「連帯経済」を包む「社会的経済」という社会構造を労働統合型の「社会的事業所」で議論―                         柏井 宏之  
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【「労働映画」のリアル】
第19回労働映画のスターたち・邦画編(19) 大杉 漣                                         清水 浩之
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【本を読む】 
『中国と南沙諸島紛争 問題の起源、経緯と「仲裁裁定」後の展望』訳者あとがき――解説に代えて(抜粋)               朱 建栄
           
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【書評】
『「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年』 加藤 聖文/著  中公新書  2009年/刊                         岡田 一郎
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【マスコミ批判】
(39)2017年3~4月                田中 良太
                             
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【川柳】                      横 風 人
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【編集後記】                    加藤 宣幸
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【ご案内】
<2017年度 一般財団法人ワンアジア財団助成 特別講座>  私たちは親しい隣人 ―アジア共同体の文化的共通性

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