【オルタのこだま】

121号を読んで

豊間根 龍兒?

 この号も「目からうろこ」が多く勉強させていただきました。

加速するアメリカの失態: こうやって並べられるとアメリカの失態、多いですねえ。思い出しました。でも、その割に日本ではアメリカの失態として大きく報道されない気がします。
 この衰退するアメリカにべったりで右傾化する日本。今や中国にすり寄るアメリカにとって靖国参拝をする首相を持つ日本は足を引っ張る存在になっている。本当に、先を見据えてしっかり日本のかじを取って欲しいなあ。

谷中村から: 田中正造が、天皇への「直訴状」に至った経緯、大変な努力があって遂にそこに至ったということがよく分かりました。安易に園遊会で手渡そうとしたのと違うなあ。数千点の研究文書を栃木市図書館に寄託したという。大変なご努力、忘れ去られようとしている歴史的文献が保存されて行くのは貴重です。

日中間で: お互い読み誤りがあるという、ではどんな読み誤りがあるか指摘して欲しいという気持ちで読み進みました。留学生に学べというが、留学生も世話になっている関係上本音は言えないだろう。NGO活動ならあるいは出来るかもしれない。「日本人はアジア人に対し、漠然とした優越感を持っている。が実質は衰退して自信を失っている。そして、日本人はどうなりたいのかというビジョンを持っていない。」という。これは痛い指摘だと思った。反省したい。日本のNGOは内向きというのもそうだろうなと思った。

地球寒冷化説: 前号でこの説を読みビックリしましたが、その後、気を付けていましたら、民放では東工大の丸山茂徳氏が寒冷化説を言っていました。(が、NHKでは東北大の有働准教授が砂浜消滅と言っていました。)こんな重大なことを自分らの利益のために「温暖化」に捻じ曲げるなんて本当に怪しからんことです。バイオエタノール問題とか、原発とか、その及ぼす悪影響は計り知れないものがありましょう。

海洋退化の進行: これも恐ろしい話です。化学物質が蓄積され回りまわって人間を脅かす。おおもとは農作物に与える化学肥料とは! いや、恐ろしい。日本海で幻の魚が取れているのもこの影響か。海の劣化のもう一つの要因が魚の食べ過ぎという。一方、日本では昔に比べ魚を食べなくなった。もっと魚を食べてくださいと言っている。
 漁法も問題だという。それに大量の廃棄。養殖漁業も問題抱えているとか。湿地帯の開発も。それに先の論文に関係する海水温度上昇。そう、生き残る道あるのか。「必要な経験と対応能力はある」と言っている。海洋保護で直接的利益享受の特定集団がないのが動きを鈍くしているという。なるほど。何はともあれ、声を大にして国際運動にして行かなくてはなるまい。

中国宗教事情: 宗教容認に華僑呼び込みの狙いがあったとは考えたものだ。それが当たって人口の半数以上が仏教徒とは驚き。儒教も糾弾されたり、見直されたりすべては党の管理下にあるとはやはり中国。お付き合いもどうしても腰が引けてしまう。

切支丹江戸屋敷: 古地図を手掛かりに、良く調べたものだ。また、調べられる文献があることに驚く。それぞれの土地に多くの歴史があるなあ。それが埋もれて行くのは惜しい。それにしても切支丹の苦労、昔の日本も今の中国と同じようなことをしていたんだ。

子供はやはり二人がいい: 最後の締めくくりが「中国の来たるべき社会が良いのかどうか誰にも答えを見いだせない。」とある。これを読んだ限りではよいことばかりのように思う。が、家庭そのものが変わってしまったのだろうか。もっとも、地球レベルではどうだかわからない。

危険な米国産牛肉: 背筋が寒くなる報告だ。アメリカ人はアメリカ牛肉が海外の牛肉に比べ、こんなに危険なことを知っているのだろうか。知らされていないのではないか。知っていれば黙ってはいないだろう。新聞広告出したり、ロビイ活動して市民に働きかけられないのだろうか。
 ホルモン剤使用を禁止したEUが提訴され負けたのはどういうことだろう。アメリカのルールですべて裁かれるのか。恐ろしいことだ。TPP加盟交渉で頑張って欲しい。

沖縄基地建設合意非難声明: 外国人が、基地建設に反対してこのように非難声明を出し呼びかけてきている。日本人も良く考えるべきだと思う。前の牛肉問題もこれを習ってアメリカに働きかければいい。世界的問題だからもっと大々的にやればいい。

「失望」と「がっかり」: 衰退するアメリカの言った一言で、日本は大揺れ。奥野的こじつけは豊臣に対する徳川的こじつけを思い出す。わが田に水を引こうとよく言いがかりを探すものよ。

拡がり続ける世界の所得格差: これも衝撃的な紹介。アメリカで、10%の者が富の50%を持っている、そして50%の者が20%を奪い合っている。で、この経済格差拡大を抑える唯一の手段は資産と所得に課税する以外にないと言っている。が、各国何処でもこれには成功していないようだ。日本も法人税下げると言っている。グローバル世界では世界的に手を打たないと効かないのではなかろうか。

葫蘆島への旅: 昔々、聞いたことのある名前が出てきた。105万人がここから引き揚げてきたのか。その方のつらい思い出と結びついている地名だろうと思う。でも、言われてみれば、よく国民党が日本人の引き揚げ事業をやり通してくれたと思います。それに近隣住民の勤労奉仕にも感謝したい。でも葫蘆島にたどり着いた人はまだよかった。

沖縄の心を見よ: 「沖縄人が生き残る道は何か」に絞り込んで何もかも振り捨てて裸になって独立の道を探っている。良くここまで思いつめたものだ。焦点が動かないからだろう。良く知らないが、インドのガンジーを思い出した。

中国の市民社会: 中国の市民レベルの知識はまことに少ないので貴重な情報だと思う。両国のNGOレベルで交流が出来たらすばらしい。

マスコミ昨日・今日: 各紙較べてみるといろいろなことが分かる。取っている新聞によって世の中の見方が変わってくるだろうなあ。

しっくり来た俳句: 初富士や世界遺産を王冠に

川柳: 確信犯とがめられても靖国へ

 (筆者は稲城市在住・元団体役員)


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