■ 【オルタのこだま】
62号篠原論文について 望月 喜市
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オルタ62号冒頭の篠原氏の中国評論は実にすばらしいものと思います。ロシア
の支配体制にも共通する部分があると思いました。
ただ,1党独裁については,若干気になります。多党制でなければ基本的人権
の根底の部分が否定されると思います。
日本の天皇制も,統治のシンボルで,これを無くせば,国民融和は崩れる,と
いう意見が多いのですが,天皇制は,帝王学をベースとする非人間的な部分があ
り,民主主義と相容れないもので,日本でも共和制のもとでの,強力な市民統合
が実現できないものでしょうか。
アメリカは,国民統合のためのさまざまな制度が,ビルトインされています。
しかし,ブッシュ前大統領のやった型破りの蛮行をなぜ中途でストップさせるこ
とが出来なかったのか。ここに,アメリカ民主主義の陥穽があるように思います
(一部評論では,多極主義(巨大資本のグローバル進出を可能にするために,イ
ラク戦争と言う罠を仕掛け,ブッシュ政権を嵌めたのだというイーグルトラップ
説。これに対し,ソ連がアフガンの泥沼にはまったのは,アメリカが仕掛けた,
ベアートラップに嵌ったのだ,以上田中宇説?)
世界金融恐慌に関連して,リアルエコノミー重視説(ケインズ,スミス,ガル
ブレイス,マルクス,ETC)がありますが。ドルの垂れ流し,流動性過剰体制,
世界的インフレ,高圧経済が,プラススパイラルをもたらし,中東,BRICsなど
ではGDPが急角度で拡大し,世界の総所得が爆発的に増大したことも事実で,金
本位制的縛りの下ではこうした現象が起きなかったことも事実です。
問題は,ペーパーマネイ全体とリアルエコノミーとの最適バランス(最適流動
性)を確保する,世界政府(?)による通貨マネージ制度を創設することにある
と思います。
以上,エッセイ風雑感です。
(筆者は北海道大学名誉教授)
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