■ 【オルタのこだま】

黒岩氏へのお見舞いを込めて               高木 一

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 61号の黒岩義之氏が闘病生活の中から提起された「小国日本への勧め」を拝
読。その中で「安全保障」に対して九条運動参加者の意見が求められておりまし
たので、私も黒岩氏への御見舞の気持を込め九条を守る立場からの拙文をお送り
する次第です。
  今日(1月29日)も、中日新聞(各社同じと思う)にアフガニスタンで米軍
とパキスタン・イスラム原理主義勢力との国境線をはさんだ交戦が伝えられ、ま
たガザ地区のハマスとイスラエル軍との再交戦の情勢が伝えられており、本当に
悲しい限りです。
 
  戦争犠牲者は何れの場合も非武装の人たち、とくに老人、女子、子供たちであ
り、民家や民間人の生命財産が奪われます。 軍隊や武装集団の罪は深く、政治
の手段としての武力の行使は、絶対に認めない、そういう21世紀になることを切
望しております。
  「安全保障」の中心は武力によらない政治の確立と思います。
世界200カ国以上といわれる国々が、自から武力によらない政治(憲法)を確
立すること、これを促す国民運動と国際的な環境、条約(不可侵)の締結が必要
でしょう。国連の役割は大きいと思います。
 
  昨年5月の憲法記念日をはさんで、九条世界会議が開かれ、千葉の幕張メッセ
をはじめ、各地で集会がひらかれました。米国防総省に勤務し、陸軍中佐の位を
持った女性や、日本国憲法草案時に人権部会の討議の中心になった米国女性、台
湾の中台問題平和的解決を望む市民運動家、韓国の在韓米軍撤退運動家、日本各
地の九条守る活動家などを中心に何万人の人々が、これらの集会に参加し、運動
の強化、継続を誓い合いました。呼びかけ人は日本でも多くの有名文化人学者、
評論家などでマスコミにも影響を持つ人々です。

 武力によらない平和の実現への道程はそれは遠いと思います。「人民の軍隊が
なければ人民のすべてはない」という時代、テロ撲滅には武力が必要と言う時代
ではありますが、戦争を好む人より、戦争に反対する人の方が圧倒的に多い。情
報網が発達している今日、戦争の残虐性が人々の耳目に映る今日、武力行使に反
対する人々は増え続けると思います。
  先行は平和にとって有利であり、軍需産業資本家や軍国主義者には不利である
と思います。
 
日本では九条を守り抜き、武力なき平和へ武器、兵器が無用の長物で、国民の
暮らしを圧迫するものであること等々を世界に発信し、平和の国際環境を創って
ゆきたいと思っています。黒岩氏のご健勝、ご活躍を祈って止みません。
                     (筆者は津・九条の会・会員)

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