■栃木でも始まった「憲法九条の会」      大原 悦子

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憲法九条を守り生かす運動の広まり

憲法記念日と九条の会
今年の憲法記念日は、いまだかつてない「憲法の危機」の中で迎えた。昨年9月
の衆議院選挙での改憲勢力の大幅な議席増、11月の自民党の「新憲法草案」の発
表、マスコミによる改憲への世論誘導的な報道、今国会では改憲のための『国民投
票法案』が提出され審議入りするかも知れないという状況である。
一方、草の根の国民レベルでは、憲法はかえない、憲法九条は守る、今こそ憲
法を生かそう!という声も決して少なくない。
2004年6月10日、日本の良識を代表する有識者9人によって発足した九
条の会は、
「日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、一人ひとりができるあらゆる努力
を」とよびかけた。有識者9人とは、上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、
小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の各氏であり、九条の会は以
下のようなアピールを発表して、憲法改悪に反対する大きなネットワークをつく
る決意を明らかにした。 「九条の会」ニュース第68号では、06年4月24日
現在、地域・分野別の九条の会結成は、全国で4770と報告されている。

「9条の会」アピール   (全文)
 日本国憲法は、いま、大きな試練にさらされています。
 ヒロシマ・ナガサキの原爆にいたる残虐な兵器によって、五千万を越える人命
を奪った第二次世界大戦。この戦争から、世界の市民は、国際紛争の解決のため
であっても、武力を使うことを選択肢にすべきではないという教訓を導きだしま
した。
 侵略戦争をしつづけることで、この戦争に多大な責任を負った日本は、戦争放
棄と戦力を持たないことを規定した九条を含む憲法を制定し、こうした世界の市
民の意思を実現しようと決心しました。
 

しかるに憲法制定から半世紀以上を経たいま、九条を中心に日本国憲法を「改

正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。その意図は、
日本を、アメリカに従って「戦争をする国」に変えるところにあります。そのた
めに、集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、憲法上の拘束
を実際上破ってきています。また、非核三原則や武器輸出の禁止などの重要施策
を無きものにしようとしています。そして、子どもたちを「戦争をする国」を担
う者にするために、教育基本法をも変えようとしています。これは、日本国憲法
が実現しようとしてきた、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的
に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むものです。私たちは、この転換を許
すことはできません。
 

アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼状態は、紛争の武力による解決が、いかに

非現実的であるかを、日々明らかにしています。なにより武力の行使は、その国
と地域の民衆の生活と幸福を奪うことでしかありません。一九九〇年代以降の地
域紛争への大国による軍事介入も、紛争の有効な解決にはつながりませんでした。
だからこそ、東南アジアやヨーロッパ等では、紛争を、外交と話し合いによって
解決するための、地域的枠組みを作る努力が強められています。
 二〇世紀の教訓をふまえ、二一世紀の進路が問われているいま、あらためて憲
法九条を外交の基本にすえることの大切さがはっきりしてきています。相手国が
歓迎しない自衛隊の派兵を「国際貢献」などと言うのは、思い上がりでしかあり
ません。

憲法九条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との友好と協力関係を発展させ、
アメリカとの軍事同盟だけを優先する外交を転換し、世界の歴史の流れに、自主
性を発揮して現実的にかかわっていくことが求められています。憲法九条をもつ
この国だからこそ、相手国の立場を尊重した、平和的外交と、経済、文化、科学
技術などの面からの協力ができるのです。
 

私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法九条

を激動する世界に輝かせたいと考えます。そのためには、この国の主権者である
国民一人ひとりが、九条を持つ日本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々
行使していくことが必要です。それは、国の未来の在り方に対する、主権者の責
任です。日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手を
つなぎ、「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、
いますぐ始めることを訴えます。
     2004年6月10日
井上 ひさし(作家)、梅原 猛(哲学者)、大江 健三郎(作家)、奥平 康
弘(憲法研究者)、小田 実(作家) 加藤 周一(評論家)、澤地 久枝(作家)、
鶴見 俊輔(哲学者)、三木 睦子(国連婦人会)

「九条の会」QandA・・九条の会ホームページ(http://www.9-jo.jp/)から

☆Q1.「九条の会」とはどのようなものですか?
A.「九条の会」は井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤
周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の九氏が立ち上げた会で、思想・信条・立
場などの違いを超え、九条改憲を許さないという一点で共同する運動です。現在、
改憲派のターゲットとなっている9条の改憲に反対する各地・各領域での諸運動
のネットワークの結び目となりたいと「九条の会」は思っております。
「九条の会」は「上から」各地を指導するというようなものでもありませんし、
できるものでもありません。あくまで、みなさんの主体的な、自発的な運動が発
展するのを支持するという立場です。

発足の記者会見で小田実さんは「憲法九条、いまこそ旬」と訴えましたし、大

江健三郎さんは「憲法を護る数多くの運動が集まってくる、大きなネットワーク
にしたい。考え方や動きが、まとまってある点になるという。憲法9条を護ると
いうさまざまな人々のタイプの声が動いていく間に、重なっていくある場所(別
に特権的なものではない)、そういう『萃点』の一つになるような、この会がそ
ういうものとして皆さんが使ってもらえたらどんなにいいだろうかというのが1
つの希望であります」と語りました。

☆Q2.「九条の会」の活動方針を教えてください
A.活動方針については、7月24日の結成記念講演会で「3つの提案」を発表
しました。、
(1)各地・各分野で「アピールに賛同する会」をつくる。(それは「九条の会・
○○県」あるいは「○○・九条の会」あるいは「●○者・九条の会」のような名
称がベターだと思います)
(2)7月24日の講演会の記録のビデオやブックレット、「九条の会」のポス
ターなどを全国に広げ、活用する。
(3)大小さまざまな講演会、学習会などをひらく、です。
各地の運動との連携は「九条の会」の電話・FAX・メールと、ホームページな
どを「結び目」にして積極的にすすめます。HPも体制が整い次第更新していき
ます。

☆Q3.「九条の会」の規則を教えてください
A.「九条の会」はまだ規約などはありません。当面は規約を作る予定もありま
せん。

☆Q4.入会を希望します。会費はいくらですか?
A.「九条の会」は呼びかけた9人で構成される会です。ひろく会員を公募する
方式をとっておりません。アピールの趣旨に賛同される方はぜひ各地・各領域で
「アピールに賛同する会」を自発的に作り出してください。この場合、一部の気
のあった人だけで作るのではなく、アピールの趣旨に賛成できる人びとを思想、
信条、立場の違いを超えて、できるだけ広く集めるのが基本だと思います。その
ために多少、時間がかかってもいいと思います。従って会費もありません。しか
し、会費ではありませんが、「九条の会」が事務所を維持していく上では経費が
かかります。「九条の会アピール」に賛同し、この会の活動を財政面からも支え
てくださる意志のあるかたは、ぜひ賛同カンパをお願いいたします。
郵便振替は 00180-9-611526「九条の会」です。

☆Q5.賛同人になりたいのですが・・・
A.いま集めている「賛同人」のかたがたは、「九条の会」の独自の判断で、今
後、各地・各分野で「アピールに賛同する会」を作る上で、先頭に立っていただ
きたいと思う方に「九条の会」から直接お願いしております。そうしないと、賛
同者が膨大な数になり、事務作業に耐えられませんので、一般に広く賛同を募集
することにはしておりません。
 各地で「賛同する会」をつくる時に、各地の責任で賛同人の募集をするという
ケースはあります。

☆Q6.私たちは「九条の会」にどのような関わり方ができるでしょうか。
A.ご自分の周囲で「アピールに賛同する会」をさまざまな方々と幅広く共同し
て作ることができればいいですね。最初はビデオを広めたり、ブックレットをひ
ろめたり、ポスターをはったり、勉強会をするのでもいいでしょう。近く、リー
フレットもできます。
 相手のご都合もあるでしょうけれども、賛同者の中にお近くの方がいれば相談
して、「アピールに賛同する会」の準備をするのも良いでしょう。いくつかの地
域では「アピールへの賛同署名」を集めながら、「アピールに賛同する会」を準
備している人びともいます。「九条の会」の動きはサイトで情報を把握すること
ができます。

☆Q7.呼びかけ人、もしくは賛同人に講演してもらえますか?
A.呼びかけ人はお忙しい方々で、年内に「九条の会」が各地で行う講演会や、
既に約束している講演などで手一杯で、大変、難しいと思います。
 賛同人の講演というのは事務局では特には斡旋していません。まず、自分たち
でお願いしたい方に当たってみてください。どうしても自分たちで当たるのが難
しいところは、とりあえず、企画を事務局にだしてみてください。事務局もなか
なか手が回らないのですが、検討し、追って連絡致します。

☆Q8.九条の会の資料をください
A.「アピール」が基本です。公表された資料はHPに資料が掲載されています。
HPで見ることのできない方は、裏面に「アピール」が印刷された「結成記念講
演会のチラシ」を郵便で送ることもできます。

☆Q9.今後の講演会の予定はありますか?「九条の会」のバッチやビラは作ら
ないのですか?
A.「九条の会」としては、年内に大阪、京都、福岡、札幌、仙台、那覇の各地
で講演会を開きたいと思っております。全国各地、および様々な領域に「九条の
会」ができ、ネットワークが組める形になるのが理想型です。
 また、みなさんの運動に活用してもらえるようにポスター、ビデオや、リーフ
レットなど、宣伝の各種グッズを作っていきたいとおもいます。ワッペンやバッ
チを作ったらどうか、という提案なども来ています。さまざまな提案をうけて、
順次、取り組んでいきたいと思います。ビラもHPからダウンロードできる形で
作ることができれば便利だと思っております。少し時間をください。体制が整い
次第、順次、取り組みたいと思っております。

☆Q10.会費をとり、機関誌を発行しないのですか?
A.いまは考えておりません。当面は、「九条の会」の情報はWebサイトでご
覧ください。
 ただ各地の「支持する会」がそうした会報(機関誌)などを作ることはよいと
思います。
 そして、賛同カンパや、様々なグッズを普及し販売してくださることは「九条
の会」の財政的な支えになります。ぜひご協力ください。

☆Q11.賛同署名運動はしないのですか?
A.「九条の会」としてはいま、おこなう予定はありません。すでに各地域では
やっているところもあり、それをその地域の「支持する会」の立ち上げのきっか
けにしようという動きもあります。これも一つのやり方だと思います。各地で取
り組む賛同署名は「九条の会」がやっていると混同されないためにも、主催者や
連絡先の明記をお願い致します。

☆Q12.「行脚の会」との関係はどうなっていますか?

A.同時期に結成され、雑誌「世界」に並んで発表されたことから、両者の関係
を心配される方もいますが、「九条の会」と、土井たか子さんや佐高信さんが結
成された「行脚の会」は対立する関係ではなく、友好的な、相互乗り入れの協力
関係にあります。現に「行脚の会」の呼びかけ人の三木睦子さんは九条の会の一
員であり、同じく土井さん、辛淑玉さんなどは「九条の会」の賛同者でもありま
す。ほかにもさまざまある憲法関連の運動との関係も同様です。

 以上で、九条の会へのみなさんのご質問への回答になったでしょうか。これか
らもご意見、ご質問をお待ち致します。
                         (「九条の会」事務局)

九条の会の広まり・・「九条の会」講演会の記録
《2004年》
【九条の会・発足記念講演会】参加者1000人
◇日時 7月24日(土) ◇会場 ホテルオークラ別館
◇講師 井上ひさし、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、
鶴見俊輔、三木睦子
【大阪講演会】参加者3700人
◇日時 9月18日(土) ◇会場 中之島中央公会堂
◇講師 井上ひさし、小田実、澤地久枝
【京都講演会】参加者2500人
◇日時 9月25日(土)◇会場 京都産業会館(シルクホール)
◇講師 大江健三郎、奥平康弘、鶴見俊輔
【仙台講演会】参加者4500人
◇日時 11月21日(日)◇会場 国際ホール
◇講師 井上ひさし、加藤周一、澤地久枝、三木睦子
【札幌講演会】参加者3000人
◇日時 11月25日(木)◇会場 札幌市民会館
◇講師 奥平康弘、小田実、鶴見俊輔
【那覇講演会】参加者2000人
◇日時 12月1日(水)◇会場 札幌市民会館
◇講師 大江健三郎、奥平康弘、小田実
《2005年》
【九条の会・憲法学習会】参加者 300人
◇日時 1月10日(月)◇会場 日本教育会館
◇講師 小沢隆一(静岡大学教授)、小森陽一(九条の会事務局長)
【横浜講演会】参加者5000人
◇日時 2月25日(金)◇会場 神奈川県民ホール
◇講師 大江健三郎、小田実、加藤周一
【広島講演会】参加者2700人
◇日時 3月12日(土)◇会場 広島国際会議場
◇講師 大江健三郎、澤地久枝、鶴見俊輔
【福岡講演会】参加者3000人
◇日時 3月19日(土)◇会場 福岡サンパレス
◇講師 奥平康弘、鶴見俊輔、小森陽一(事務局長)
【九条の会・有明講演会】参加者9500人
◇日時 7月30日(土)◇会場 東京・江東区・有明コロシアム
◇講師 井上ひさし、大江健三郎、奥平康弘、小田実、鶴見俊輔、三木睦子
  ※午後1時から、及び講演の途中で、荘村清志さんのクラシックギター演奏
【10・22新潟のつどい】参加者2200人
◇日時 10月22日(土)◇会場 県民会館大ホール
◇講師 大江健三郎、澤地久枝
【あいち'05県民の集い】参加者3200人
◇日時 11月3日(木)◇会場 名古屋市公会堂大ホール
◇講師 奥平康弘
【くまもと九条の会結成1周年記念講演会】参加者1500人
◇日時 11月22日(火)◇会場 県立劇場コンサートホール
◇講師 小田実、石坂啓(漫画家)、福島将美(元県連合熊本会長)
【九条の会・シンポジウム】参加者 260人
◇日時 11月27日(日)◇会場 東商ホール
◇講師 加藤周一、山内敏弘(龍谷大学教授)
《2006年》
【九条の会・埼玉講演会】参加者3500人
◇日時 5月9日(火)◇会場 大宮ソニックシティ
◇講師 大江健三郎、加藤周一、澤地久枝

九条の会の新しい訴え
 「九条の会」は05年7月30日、つぎのような訴えを発表し、さらなる運動の
広まりをつくろうと呼びかけた。
◎「九条の会」アピールに賛同し広範な人びとが参加する「会」を、全国の市区
町村、学区、職場、学校につくり、さらに広げましょう。
◎相互に情報や経験を交流しあうネットワークを広げ、来年、全国的な交流集会
の開催をめざしましょう。
◎大小無数の学習会を開き、日本国憲法9条の意義を学び、改憲キャンペーンを
はねかえしましょう。
◎私たちひとりひとりが、ポスター、ワッペン、署名、意見広告、地元選出の政
治家・影響力をもつ人びとやマスコミへのハガキ運動など、9条改憲に反対す
る意思を、さまざまな形で表明し、大きな世論をつくりだしましょう。

栃木県内の九条の会
【九条の会・栃木の結成】
 栃木県では、弁護士さんたちが中心になり、県内有志の名で以下のような呼び
かけをして、会の発足をめざした。何度かの準備会を経て、2005年8月6日
に発足会をもち、9月24日に早乙女勝元氏を招き、記念集会とした。
 事務局連絡先は、「とちぎ市民法律事務所(弁護士 田中徹歩)」(住所:〒
320-0808 宇都宮市宮園町8-2松島ビル)である。

《呼びかけ》
 皆様ご承知のように、いま日本国憲法を「改正」しようとする動きが急になっ
ています。
 私たち21名は、このたび、このような動きに対し、同封しました「アピール」
にそって、「九条の会・栃木」を結成し、多くの方々の賛同を得て、「改正」を
させない活動を行うことといたしました。
 まず手始めに、21名が、「アピール」の賛同者を募って、それらの皆様に呼
びかけ人となっていただき、輪が広がった段階で、結成準備のための集まりを持
ち、そこで、あらためて県内の多くの方々へアピール賛同の呼びかけを行おうと
考えています。
 

呼びかけ人の集まりは、本年5月21日(土)午後2時から、栃木県総合文化

センター(宇都宮市本町1-8)第一会議室で行うことを予定しています。
 私たちのアピールに賛同し、呼びかけ人となっていただけますようお願いする
次第です。同封しました書面でご返事をいただければ幸いです。
あわせて、上記の結成準備の集まりにもご出席いただき、ご意見等を頂戴できれ
ばと存じますので、何分よろしくお願い申し上げます。    2005年4月

石川浩三 石川輝雄 今井行康 いわむらかずお 采澤良浩 大木一俊 大貫正
一 落合雄三 北島滋 さきやあきら 鈴木解子 須藤博 曽根敷史 田坂興亜 
田中徹歩 人見照雄 笛木隆 増山均 宮本栄三 吉川水城 渡部静子

《「九条の会・栃木」設立記念集会》
 2005年9月24日(土)に栃木県教育会館大ホールにて実施した。当日は、
小雨の中を630名前後の参加があった。 オープニングに「九条の会」アピール
朗読とビオラ「鳥の歌」(演奏:粂川吉見、伴奏:田中純子)があり、代表の宮
本栄三氏(宇都宮大学名誉教授)の主催者挨拶、そして、早乙女勝元氏が講師と
なり「憲法9条の伝書鳩に-ある作家の体験から」~ビデオ「軍隊のない国・コ
スタリカ」をはさみながら~と題して講演した。参加者アンケートによる感想で
は・・・「有効な機会だった。賛同者が多いのに自信が持てた。」「アピール賛
同者を広げ、地域・各分野の会の結成に尽力いたします。」「世界に誇れる9条
を絶対子や孫に伝えなければ・・大人の責任です。」「九条が変えられたら日本
はどうなっていくかという事が、今の若者はわかっていないと思います。平和の
大切さを伝えていきたいです。」等々の声が聞かれた。
 会では、呼びかけ人である、作家のいわむらかずお氏作の「鳩の九ちゃん」カ
ンバッチ(シックな五色、1個300円)を販売して、会のメッセージを広めて
いる。

【「太平山麓九条の会」の結成に向けて】
 栃木市周辺の人達が、九条の会をつくろうと手を結ぶこととなった。
 2005年12月17日「地域懇談会」の呼びかけで、第1回準備会議が持た
れ、31名の参加で、事務局体制をつくることとなった。以後、何度かの事務局
会議と準備会議を重ねた。そして、会の名称は、「太平山麓九条の会」と決定。
事務局所在地は地元の弁護士事務所に置く、会費はとらずカンパで運営するとし、
呼びかけ人・呼びかけ文の検討をかさねた。
 こうして、以下のような呼びかけ文で、賛同者を広めようと決まった。

《私たちは呼びかけます 
平和を願う栃木市とその周辺にお住まいのみなさんへ》
 自然と交通の便とに恵まれた私たちの街は、大きな災害もなく営々と歴史を
重ねてきました。自然の恵みの中で、人と人とが助け合って穏やかに暮らして
いけたら、どんなに幸せなことでしょう。
 「三度のごはん きちんと食べて 火の用心 元気で生きよう きっとね」
(井上ひさし『兄おとうと』より)
 つまり生活保障と無病息災が、庶民のささやかな、でも最大の願いではない 
でしょうか。
 さて、おびただしい犠牲と惨禍を経て生まれた日本国憲法は、戦争放棄・戦
力不保持をうたい、私たちの平和な暮らしを支え、またアジアからの信頼を得
てきました。
 ところが今、「軍隊をもち戦争のできる国」に変えようと、改憲の動きが強
まっています。
 これに対して2004年6月、日本を代表する9人の知識人(井上ひさし 
梅原猛 大江健三郎 奥平康弘 小田実 加藤周一 澤地久枝 鶴見俊輔 
三木睦子)が、改憲のくわだてを阻むため「九条の会」を発足させました。発
表された「九条の会アピール」は大きな反響を呼び、全国で続々と「九条の会」
が生まれてきています。
 

 「戦争は、もう二度とごめんだ」

 「殺されるのはいやだ、殺すのはもっといやだ」
 「意見の違いは、暴力では解決できない」
 こう考えるみなさん!
 九条を守りたいという一点で、同じ思いを持つみなさん!
 その一人一人の思いを持ちよって、みんなの声にしませんか。
 21世紀の世界がめざすのは「力によらない平和」です。憲法九条を世界に
広め、地球憲法として輝かせましょう。
 晴れやかに誇らしく平和のバトンを子や孫の代に渡せるように、太平山に抱
かれたこの地域で、ともに知恵を出しあい手をつなぎましょう。
 「九条の会アピール」へのご賛同と、活動へのご参加を心よりお待ちしてお
ります。(2006年2月18日)

《呼びかけ人》
・赤池 康(医師)・石田よし宏(栃木県現代俳句協会長)・梅澤 錦治 (弁護
士)・笠原 昭二(社会福祉法人あゆみ学園理事長)・齋藤 昭俊 (大正大学名誉
教授・真言宗寶蓮寺住職)・須黒 延佳(弁護士)・鈴木 解子(じょりんぼ)・
田上 中(日本キリスト教会栃木教会長老)・舘野サク子(元教員)・殿塚 治
(栃木市商店会連合会副会長)・富田 昌宏 (俳句結社「渋柿」代表同人)・長
谷川恵子(おたまじゃくし文庫)・長谷川建夫(田中一村会会長)・林 由多可
(大平酒造)・松本 正美(松本ぶどう園)・渡邉 全一 (マロニエ医療福祉専門
学校講師)
《代表》齋藤 昭俊 《副代表》石田よし宏・富田 昌宏・舘野サク子

《これまでとこれから》
 4/22 定期学習会・・弁護士 田中 徹歩さんを招いて「国民投票法案」
 7/1  結成記念集会・・記念講演は九条の会事務局長 小森 陽一さん
 8/6  松元ヒロソロライブ
毎月、ニュースを発行して、活動の様子・計画などを多くのみなさんへお送り
することとしている。
               (太平山麓九条の会 事務局 大原悦子)

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