■俳句                        富田 昌宏

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   穂ぼうや風ぼうぼうと離村の碑

  団栗に打たれて童話始まりぬ
 
   ショベルカー地を噛みしまま盆休み

  秋の蚊にうたた寝の夢吸われけり

  赤蜻蛉駆込寺を目指しけり

  秋耕や皺の両手も一農具

  虫の音を栞に源氏物語(げんじ)閉じにけり

  終曲は略して去りぬ法師蝉

  過疎止むる手立なかりし蕎麦の花

  (イチロウ十年連続200安打)
   イチロウの快挙達成秋気澄む

            (俳句結社「渋柿」代表同人)

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