【オルタ広場の視点】

フィリピン人移民研究者の立場から

佐竹 眞明


 日本社会で1980年代より増えた在日フィリピン人を対象に結婚に伴う様々な問題を見てきました。
 結婚した女性が日本の高齢社会に対応して、介護施設で多く働いています。
その分野に対しても 改正入管法の枠組みで 外国人労働者を受け入れようとしています。
 今でも日本語を教えるのが大変な状況の中で、さらに外国人を入れようとする、
それに対する国の支援が求められています。

 日本は地球規模の移民時代の中にあって、自分の国の都合に合わせて、移住労働者を受け入れようとする、しかし、国の都合だけで人が集まるかどうか。高齢化、労働者不足、国際競争力の確保。こうした状況を経て、シンガポール、オーストラリアといった国ではもっといい条件で移住労働者を集めている。少なくとも給与面では日本を抜いている。

 加えて、移住者を労働力人材とみて、移住者の人間性を見ていない。5年間はシングルの労働力として、働かねばならない。配偶者、子・親を抱える労働者にとっては苦痛である。5年間の我慢である。配偶者、子・親が入ってくると、日本社会は大規模な人の移住に慣れていないので、地域の排外が起きる可能性もある。しかし、そこは日本社会を外国人によって、立て直すという試みである以上、多文化共生施策の一環として、乗り越えていくべきである。少なくとも1年目から配偶者・子の帯同を認めるべきである。

筆者は名古屋学院大学国際学部においてを「多文化共生」を研究
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