【コラム】大原雄の『流儀』

チェルノブイリの月(5)・10年前に出会った人々は…?

大原 雄

★ザポリージャ原発で事故が起こると、
         放射性物質は、広域拡散される恐れがある

朝日新聞9月3日付朝刊記事と見出しを引用。ザポリージャ原発関連。

一面左上。3段見出し。
IAEA「砲撃で損害明らか」 左隣り。「ロシア、一部視察拒む」

二面右上。4段見出し。「占領下の原発調査着手」 左隣り。黒ベタ白抜きの4段見出しで、「IAEA職員の常駐目指す」

その下に、4段の囲み記事。見出しは、以下の通り。
「放射性物質放出なら広域に拡散」「周辺国 避難必要になる恐れかように、ウクライナでは、ザポリージャ原発について緊張の度合いが高まってきているのに、ロシアは、「ウクライナ政府は、ロシアが原発を盾にウクライナ軍を攻撃している、などとウソをついている」と言っているという。

★危うし! クリミア半島「8年戦争」の現状は?

 2月24日に宣戦布告も無しにロシアのウクライナ侵攻が始まったように見えるウクライナ戦争は、実は、8年前の2014年から続いている戦争であった。

 「ロシアが2014年に一方的に併合し実効支配を続けるウクライナ南部クリミア半島で(8月)18日、少なくとも4回の爆発があった。ロイター通信が複数の地元関係者の話として伝えた。クリミア半島では8月に入ってから、ロシア軍の施設付近で爆発が相次ぎ、緊張が高まっている。ロイター通信によると、爆発があったのはクリミア半島南西部セバストポリの軍用飛行場の近く。ロシア側の地元幹部は、「ウクライナ軍の無人機(ドローン)を撃ち落とした。被害はない」とSNSに投稿したという(略)」

以上、朝日新聞8月19日付夕刊記事より一部・概要で引用。

 朝日新聞の夕刊一面最下段に2段組の記事が3本掲載される。内容は国内外の記事だが、この欄は、文字ばかりで伝えるニュースで、「NEWSダイジェスト」という通しタイトルで括られている。3本とも2段の見出ししか、つけてもらえないが、その見出しが躍る。元気が良いのだ。朝刊が締め切られた後、入電してきた国内外のニュースから、鮮度の良いまま、夕刊に入れましたよ、というような編集デスクの心意気が伝わってくるようで、嬉しい。ならば、短いけれど、読みましょうという気になる。デスクがつけた見出しは、「クリミア半島で4回爆発」であったが、これは、続報の見出しのつけ方なので、私の方は、上記のようにした次第。

クリミア半島についての、それぞれの「認識」

 クリミアは、ソビエト連邦時代は、短い期間だったがクリミア・ソビエト社会主義共和国などと呼ばれた。1954年以降は、ウクライナ・ソビエト共和国に属した。1991年のソビエト連邦崩壊=ウクライナ「独立」以降は、ウクライナの構成国家であるクリミア自治共和国に属していた。2014年のクリミア危機でロシアへの「編入」の是非を問う、いわゆる「住民投票」の結果、以後はロシアによる実効支配が行われている。こうして、上っ面なことをメモしただけでも、ウクライナやクリミアの難しい「位置付け」が浮き上がってくるように思う。これに対して、ウクライナ側はウクライナ憲法などに違反しているとして「編入は無効」と主張している。日本を含め国際社会の多くがウクライナ側を支持しているのは、現状の通りである。ウクライナ戦争は、ある意味では、「クリミア認識」をめぐる戦争だと言える。

 繰り返すが、クリミア半島は、8年前、2014年までは、ウクライナの一つの地方だった。ロシア軍が、ウクライナの隙をついて一方的に武力で「占拠」したという。クリミアの住民は、8年間、ロシアと「戦争」をしてきたという。ロシアがやったことは、「編入」か、「占拠」か。ウクライナ戦争は、クリミアがウクライナに戻るための戦争というわけだ。だから、ゼレンスキー大統領は、「ウクライナ戦争は、本質的にクリミア戦争だ」という認識を繰り返し表明しているのである。

 ゼレンスキー大統領の言葉が印象的だ。
 ゼレンスキー大統領は「全てはクリミアから始まり、クリミアで終わる」という。

 ウクライナにとってクリミアでの戦争状態は、ウクライナ国内の問題であるという。
 プーチンは、クリミアは、ロシアの領土だという。クリミアでの戦争状態は、ウクライナがロシア「領土」に侵攻してきて起こしているものだという。ならば、ウクライナがクリミアで爆発事故を起こすのは、ウクライナからの軍事攻撃であるという。プーチンは、ウクライナがロシア「本土」で戦闘行為をしたら、ロシアはウクライナに核兵器で反撃すると脅している。全体的な軍事力のバランスを欠くプーチンは、今や、ウクライナに対して核兵器を使う条件に近づいている、と思っているのかもしれない。ウクライナ戦争は、今や、「プーチンの戦争」になっているとプーチンは思っているのだろうか。「ワンマン」戦争、ということか?

 ウクライナで、核戦争が始まっても、放射能は、西側へ流されると、プーチンは思っているのだろうか。ロシアのある東側には流されてこない、というような自分勝手な「過信」(過誤)をしているのかもしれない。そういう説は根拠がない話じゃないのか。

 ウクライナ戦争は、8月24日でロシア軍の軍事侵攻(2月24日)から早くも半年が経った。戦争の長期化のなかでウクライナ戦争は、プーチンの戦争になって行くのか。ゼレンスキーが代表するウクライナの戦争であり続けるのか。2022年も、残り4ヶ月。年内に戦争は停戦となるのか。ならないのか。これからの展開が、この戦争の正念場になるのかもしれない。

★「ザポリージャ原子炉停止」の見出しが掲げられた

 朝日新聞9月2日付朝刊見出し引用。一面の右肩。原子炉停止の見出しの左隣りに、「IAEA到着当日に砲撃」という、黒ベタ白抜きの大見出しが怒りを滲ませて控えている。IAEAの調査団が現地に到着した日にも、「砲撃があり、稼働中の原子炉が緊急停止、調査の安全に懸念が広がった」と記者は書いた。

★危うし!IAEAのザポリージャ原発の「綱渡り」対応は、いつまで可能か?

 (原発を盾に)「ロシア軍が占領を続け、砲撃が相次ぐウクライナ中南部のザポリージャ原発をめぐり、ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは、(8月)25日、原発の発電ユニット2基が一時的に電力網から切断されたとSNSに投稿した」
 以上8月26日朝日新聞夕刊記事より引用した。引用記事の冒頭に「原発を盾に」と入れてみた。「原発の施設内に立て籠れば」原発は、ロシアにとってウクライナからの砲撃の盾になるという意味である。

「(略)ザポリージャ原発で、(8月)6日から7日にかけてミサイルが着弾した」。以上、朝日新聞8月8日付夕刊記事より引用。

 ここの謎は、ミサイルが、誰によって、原発施設を目標に発射されたのか? ということである。ロシアだ、ウクライナだ、と相互に非難しあっているのが、双方の非難合戦は、その後も続く状況である。

 ザポリージャ原発は、ヨーロッパ最大級の原発だが、2月24日から始まったロシア軍のウクライナ侵攻に伴い、侵攻初日に早々と占拠されたチェルノブイリ原発・廃炉(その後、「閉鎖」という)に続いて、3月4日からロシア軍に占拠・掌握されたままである。以来、ロシア軍が原発の知識も不十分なまま、ザポリージャ原発をいいように悪用(プロパガンダに利用)されていることは、この連載でも、何度か触れてきた通りである。ロシア軍の若い兵士などは、自分が、いま、どういう施設を占拠しているか、全く理解できない人たちもいるという。

 特に、8月に入ってからは、2回(5日と、6日から7日にかけて)ロシア軍から原発は攻撃されている。つまり、プーチンは、思惑外れとなったウクライナ侵攻の長期化という不利な戦況に苦慮しながら、原発を国際社会脅迫の「核兵器」に準ずる凶器として、ウクライナを始め、アメリカ・ヨーロッパ各国の、つまり敵対国の、いわば「人質」同然に扱っているように思える。

 ウクライナは、36年前の1986年にチェルノブイリ原発の爆発事故を起こした。過去最大級の事故であった。一方、2011年には、日本列島を襲った大規模な地震や地震に伴う津波により東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生した。以来、国際社会は、原発の安全な利用に頭を悩ませている。メルケル首相(当時)時代からドイツなど、原発ゼロを目指すと政策転換しているくらいだ。ロシアとウクライナは、その後も、双方で「攻撃」の責任は相手側にあると主張し非難しあっている。国際原子力機関(IAEA)の調査団がウクライナ入りし、ザポリージャ原発の現況を調査するため、(8月)31日にも現地入りすることになっている。国際社会でも、危機感が一気に高まっている。
以上、朝日新聞8月31日付夕刊記事より概要引用。

★ザポリージャ原発周辺 攻撃続く

 「(略)ザポリージャ原発周辺で、(8月)28日も攻撃が相次いだと、地元の行政関係者らが明らかにした。(略)ロシアとウクライナのどちらが砲撃したかは、伝えていない。IAEAによると、ザポリージャ原発の周辺では25〜27の3日間にも砲撃があり、原子炉建屋から約100メートル離れた二つの建屋などが直撃を受けた。(略)」。
以上、朝日新聞8月29日付夕刊記事を引用。

 ロシア軍では、若い兵は「捨て駒」、消耗品なのだろう。チェルノブイリ原発の占拠の際には、敷地内で塹壕掘りをさせられていた兵士たちが被曝して健康被害が出て、撤退したことがあった、という。原発や核兵器から遠く離れた安全地帯にいるのは、独裁者たちだけか?

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★内閣支持率低下と、いわゆる「国葬」問題

 安倍元首相が銃撃された、わずか6日後の7月14日、岸田首相は安倍氏の葬儀を「国葬」で実施すると早々と表明したのが、いわゆる「国葬」問題の発端である。この発表を踏まえて首相を評価したのは、自民党のなかでも保守派であったという。野党からは、疑問、疑念、批判の声が上った。与党のなかでも
 疑問の声が聞こえるという。

 国会の閉会中審査で岸田首相の答弁ぶりを聞いていると、政権は、戦前の「国葬」(戦後、日本国憲法施行後、失効した。法的根拠がない)と「国葬儀」(国の儀式)という用語を使い分けているようだが、姑息な浅知恵的な説明に聞こえる。「国葬」問題では、マスメディアの世論調査の結果が、いろいろ伝わってくる。大状況は、各社とも、似ているのではないか。

 安倍元首相の葬儀は、国民の世論を「分断」したまま、一方で「国葬」という葬儀の「儀式」の強行に向けて準備が進んでいるようだ。

 以下は、朝日新聞8月26日付朝刊記事より引用。

政府が9月27日に行う安倍晋三元首相の国葬の費用について、約2億5千万円を予備費から支出する方向で調整していることが分かった。(略)。国葬は全額国が負担する。(略)会場周辺の警備費は含まないという」
 このような発表の仕方は透明感のないやり方だ。全額国費(税金)を使うといいながら、「経費」全額が一目で納税者の国民に判るように説明をしない。岸田政権は、国民に知られたら、なにか不都合なことでも隠しているのか? この国の政府は国民を馬鹿にしている。こうした姑息さに対しては、きっと、しっぺ返しがくるだろうと、思う。

 8月のNHK世論調査によると、安倍元首相の、いわゆる「国葬」に「賛成」(NHKは、世論調査では「評価する」という分かりにくい言葉を使用している)する人は、36%、「反対」(「評価しない」)する人は、50%に達しているという。調査結果は「NHKニュース9」などで放送された。ここでは、ポイントのみを引用した。

 「聞く力」を持ち、内閣支持率を誇っていた岸田首相は、国葬問題では、「聞く耳」を持たず、という感じで、臨時国会も開かず、国葬問題にもきちんと答えず、「猛進」しているように見える。そのせいだろうに、マスメディア各社の世論調査の内閣支持率も下落傾向。

 例えば、朝日新聞8月29日付朝刊記事より、以下、概要引用。
見出しは、4段。黒ベタ白抜き。「首相の旧・統一教会対応『評価しない』65%」「内閣支持急落47%」
 朝日新聞全国世論調査、8月27、28の両日実施。岸田内閣の支持率は47%(前回7月調査は、57%)と、10%の大幅に下落。不支持率は39%(同25%)に跳ね上がり、14%の増加。
 安倍「国葬」問題では、「反対」がNHKの世論調査同様で、50%。「賛成」が41%。旧・統一教会と政治家の、いわゆる「接点」(距離感、ディスタンス)問題に対する対応では、岸田首相を評価するが、21%、評価しないが、65%。政治家は旧・統一教会との関係を「断ち切るべきだ」は、82%、「その必要はない」が、12%。自民党の政治家たちは、旧・統一教会との関係を「断ち切れない」が、76%、「断ち切れる」が、16%であった。旧・統一教会との、いわば「腐れ縁」が断ち切れないという認識を持つ自民党議員が、76%、つまり「3/4」もいるというのが、まさに実態なのだろう。「病状」は極めて深刻だ。これらの問題に対する国民の認識の現状の概要は、いまの段階では、この通りだろうと容易に推察がつく。教会側は、こういう実態をすっかり掴み、議員事務所の臨時の選挙応援スタッフばかりでなく、常勤の私設秘書などにも、しっかり潜り込んでいるのではないか。いずれ、そういう実態が、マスメディアの手で白日のもとに晒されてくるのではないか。期待したい。

 安倍元首相の「暗殺」の件では、警察庁長官(59歳。鹿児島ラサール学園高等学校から東大法学部へ、そして、警察官の父親の背中を見ながら育ったせいか、本人も警察官僚へ。国家公務員としては、出世街道まっしぐら人生だったのだろう)が、異例の辞任申し出。菅前首相を始め、自民党と近い関係の人物だと言われる。(8月)26日閣議で承認され、(8月)30日付で辞職。これを受けて、「警察庁は要人警護の運用を大きく見直し、(略)警察庁の関与を強化する」ことになったという。ポイントは、各都道府県警では、頼りないと思ったのか、現職の首相や外国の要人に限られていた警察庁の関与を「すべての警護対象者について警察庁が関わるようにする」という。「国家公安委員会規則『警護要則』を(略)28年ぶりに新たに定めた」という。従来の「警護要則」を廃止し、「新版」を定めたというのだ。
 以上、朝日新聞8月27日付朝刊記事より引用。

 こうして、国家権力は、国民が気づかぬ間に素早く隙間を埋めてしまう。忍び寄るように、国民が気づかぬうちに国家の権限を強めて行くのだろう。いずれ、専制主義に近づいて行くのが、歴史の教訓。内閣主導による安倍「国葬」の強行も警察庁の警護関与強化も、そういう「忍び寄る」ものの予兆となる。マスメディアは、こうした予兆などについて、素早く気づききちんとした情報を国民に伝えていかなければならないが、今いちばん頼りないのが、我々、マスメディアなのだから厄介だ。

★自民党と旧・統一教会の「接点(癒着)」

 「接点(癒着)」「接点(ディスタンス)」という言葉。これもなかなか判りにくいかもしれない。隙間のない接点では、適切な距離感を保てない。距離感のある接点こそ、適切な接点になると思うからだ。自民党と旧・統一教会の「接点」という問題は、そういうテーマの問題だと、私は思う。

 以下、朝日新聞8月11日付朝刊一面記事などより概要引用。11日の紙面では、内閣改造関連記事が大きい。見出しは、3段で「6閣僚、旧・統一教会側と接点」。その本記記事は、6段。一面の左側では、トップの扱い。この記事で「接点」という言葉が、一気に知名度を上げることになる。癒着と距離感(ディスタンス)。

 与党(自公)の内閣改造が終わった。今回の内閣改造人事は、ごちゃ混ぜ。何を目的にバタバタと改造を急いだのか。さっぱり判らない。

 岸田第二次改造内閣では、旧・統一教会(教団)と「接点」があったとして、前任の閣僚7人が潔く(?)閣外に去った(と言っても、「だんまり」を決め込み、素知らぬ顔で留任し、大臣の椅子を確保してから、「接点」を告白した人もいる。また、閣外へといっても、実は自民党3役に横滑りした人もいるから、ここの「集計」もあまりあてにならないみたいだ)。「接点」の手口(?)は、イベントなどへの祝電、祝辞(秘書参加代行が相場だったが、最近は、オンラインで使われるビデオメッセージなどを活用するようになった)、会費・参加費などの支払い、秘書の参加代行など人によって多少違うが、政治家たちはそういうことをやって、己の選挙活動に繋げる。教団には、“箔”をつけてやる。「箔」とは、いわば、「保証書」のようなものではないのか。旧・統一教会側は、国政選挙での選挙運動の裏方(電話での投票依頼など)へのスタッフ派遣、旧・統一教会系候補への投票要請動員などをボランティアで請け負ったらしい。そういう票の割り当てを強引に取り仕切って、指示を出すのは、安倍元首相本人も当たっていたらしい。いや、むしろ旧・統一教会「政治部」の中核にいたのは、安倍元首相自身なのではないのか。9月8日の国会閉会中審査では、立憲民主党の泉健太代表が、「安倍=キーパースン」論で質問すると、山口俊一・議院運営委員長は、泉発言を妨害した。

 「自民党と旧・統一教会との関係を考えた場合に、安倍元総理は最もキーパーソンだったのではないか」。(立憲民主党の泉健太代表)
 山口委員長は「本日の議題は国葬儀だ。それを考えながら」(質問しろ)などと声を荒げて注意したのだ。なんだ、これは? 国会は、言論の府だろう。

 「安倍=キーパースン」論を裏付ける取材をするマスメディアは、出てこないのか。

 旧・統一教会の内部では、旧・統一教会系の団体を「友好団体」などというらしいが、そもそも宗教法人らしからぬ霊感(悪質)商法という「実質」作戦と、宗教法人らしい「献金」という名目で、いわば「軍資金」を溜め込んで行く作戦は、軌を一にする方法なのではないのか。軍資金は政界工作に使ったらしい。政界工作の足跡は、自民党と旧・統一教会のカップルが通った道には生々しく残っているのだろうか。そういう団体に「友好」という表現を使わせる感覚が、マスメディアとしても、そもそもおかしいのではないか。感覚がおかしいのは、「友好」が、私から見れば、「癒着」という感覚だからなのだが、そういう思いをしながら、あるいは、そういう発想すら気づかずに、マスメディアやSNSからの情報を受け取っている私たちの「社会」の方も、感覚がおかしくなっているのかもしれない。いまの社会は、パンデミックあり、身近な戦争ありで、社会の方がおかしくなってきていてもおかしくはない。

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★コロナより怖い、(仮)旧型・「ウイルス/10・01」 
        自民党内でクラスター(感染者集団)発生か?

 第2次岸田改造内閣では、閣内へ入れるための人材集めが大変だったらしい。日本列島を襲った新型コロナ禍は、足掛け3年。目下、第7波が猛威を振るっている。なにせ、全国で毎日10万から20万前後の感染者が増え続けている時期が長く続いたのだ。それも、目下、高止まり状態で棒グラフ的には、幾分「下り坂」ながら当面急速に縮小する気配は見えにくい。まして、自民党内では、コロナ禍だけでなく旧・統一教会系の旧型ウイルスによる「政治感染(?)」も、流行っているから、真っ当に組閣しようとしても組閣できない状況となっていたのだろう。困ったものだ。自民党内の政治感染を、取り敢えず、仮に、旧型・「ウイルス/10・01」とでも名付けておこうか。岸信介が感染して以来、安部一族を代々根幹にしながらウイルス感染を繰り返す。次いで、自民党の議員を中心に感染拡大をし、党内で「安倍派」の元となったのだろうか。さらにそれが、自民党内に大感染し、安倍政権となった。一部は野党にも感染したのではないか、と私は思いいたる。ここでは触れないが、なぜ、保守系政治家たちは皆、旧・統一教会系だけでなく宗教右派に「政治感染」するのだろうか。「選挙」活動のあり方を調べる必要があるのではないか。

★夏休み明けの岸田首相が感染。うむ、どっち? 
   新型コロナ? or(仮)旧型・「ウイルス/10・01」?

 「政府は21日、岸田文雄首相が新型コロナウイルス に感染したと発表した。15日から21日まで夏休み。22日から公務に復帰する予定だった」。感染後は、10日間の自宅療養。その後、自宅療養しながらオンラインで、公務復帰。
「現在は公邸内の私邸で療養しているという」
 以上、朝日新聞8月22日付朝刊記事より概要引用。「公邸内の私邸」は、朝日新聞アピタルより引用。

8月31日、岸田首相は、対面の公務へ復帰した。

贅言;首相官邸には、「公邸内の私邸」というのがあるらしいので、びっくり。探してみたが、官邸のホームページには見当たらなかった。時代小説などに出てくるような、江戸城内の奥に隠し部屋のようなものがあるのだろうか?

因みに、この間の「首相動静」では、
例えば、
16日。【午前】7時59分、茨城県つくばみらい市のゴルフ場。妻ら親族とゴルフ。10時24分、報道各社のインタビュー。【午後】6時13分公邸。
17日。【午前】公邸で過ごす。【午後】1時16分、JR東京駅着。27分、こだま729号で同駅発。2時17分、JR三島駅着。48分、静岡県伊豆の国市の旅館。(略)。
21日。終日、公邸で過ごす。

以上、朝日新聞朝刊記事「首相動静」より引用。

「21日。終日、公邸で過ごす」。という辺りが、怪しいか。「公邸内の私邸」に隠れていたのではないか。岸田番の若い記者たちよ! ガンバレ!!

★第2次岸田改造内閣時組閣
       自民と旧・統一教会との「接点」(ディスタンス)

 繰り返すが「接点」とは、懐かしい言葉だ。昔習った数学の「幾何」。接点といえば、直線と円の接点、円と円の接点など、いくつかの接点を思い出すが、当時、接点に癒着、距離感などという意味は、なかった。それは、閑話休題。

 先ず、内閣改造の顔ぶれ報道は、8月10日以降の各紙記事などで続いた。特に、朝日新聞10日付夕刊記事では、黒ベタ、白抜き、5段の見出し「第2次改造内閣、今夕発足 首相『心機一転』強調」、横見出し「岸田新体制 問われるのは」旧・統一教会との関係・国葬に説明責任」、(5段見出し)は、その後の旧・統一教会ネタが、さまざまなマスメディアに溢れ出て、社会の関心を集めた。
以下、朝日新聞を含め各メディアの情報随時概要引用。

改造内閣[閣僚](8月10日付)の数:19人

首相は、組閣の任命権者なので、内閣の人数(20人)からは除外して、計19人。

閣外へ去った閣僚の数:7人(自民党の役員へ横滑りも含む)

 「接点」についての自己申告では、「だんまり」を決め込んで閣内に留任・再任、あるいは、新任した政治家の数:8人。つまり、「接点」のあった7人が閣外に去り、「接点」を見直すと誓った別の8人が入閣したという。旧・統一教会系が、7人から8人に逆に増えたことになる。なんなんだろうこれは? 旧・統一教会関係を減らそうとしても、単純な足し算・引き算ではできなくなっているのだろうか。→ 9月8日の、NHKニュースが、速報で伝えたが、自民党の調査によると、党所属の国会議員で旧・統一教会と接点があったのは、︎179人だという。自民党の国会議員の半数。

 自民党の隠し部屋とは、旧・統一教会系政治家を隠す「指定(席)」部屋なのかもしれない。

★9月8日のNHKニュース速報 自民党の「接点」=「足跡」調査

以下、NHKニュース原稿(デジタル版)よりリード部分を引用。

旧統一教会との関係をめぐり、自民党は、所属する国会議員全体の半数近くにあたる179人が何らかの接点があったことを明らかにしました。また、選挙で支援を受けるなど、一定以上の関係を認めた121人の氏名も公表しました。

自民党は、衆参両院の議長を除く所属する国会議員379人に、旧・統一教会側との関係について書面で報告させた結果を取りまとめ、8日夕方に茂木幹事長が記者会見して公表しました。

それによりますと、関連団体も含めた会合に祝電を送ったり、秘書が代理出席したりしたケースを含め、教会側となんらかの接点があったと報告した議員は、全体の半数近くにあたる179人だったとしています。以下、略。

「接点」がありながら対応の違いで、「お目こぼし」されるなど、岸田政権の対応が、訝しい。何れにせよ、なんのために、秋の改造という見込みを早めて、バタバタと内閣改造をしたのか国民には全く判らない。それゆえ、内閣支持率は、急降下。「オンラインで公務処理している首相の顔も、疲れているのか、自信をなくしたのか、頬がコケて、窶(やつ)れていて、一気に歳をとったような感じが強い。ご自愛専一で。カメラは非情だ。コケたのは、頬だけではないのではないかもしれない。

自ら「点検」し、今後は、「見直し」しますので、今回は、お目こぼしを、という「気をつけます派」だけが、にんまりと閣内に残ったり、改めて入ったりしたことだろう。政治家という「人品・人柄」は、どこまでいやらしいのか。

さて。組閣時に「接点」のあった人。↓ チェックへ。

★ 新入閣、留任、再入閣(8月10日付け):8人

★[副大臣&政務官](8月12日付け):23人。

 副大臣らは全員で54人だから、旧・統一教会系が岸田内閣では、4割強ということか。因みに、大臣は、任命権者の岸田首相を除いて、19人中8人で、やはり、4割強。

 岸田首相は、自ら「点検」し、「見直し」を【受け入れた】人物のみを「任命」したという。これで、禊になるのか? 以上、松野官房長官の説明であったが、新閣僚は自己責任で自らを点検・見直しせよ、というだけで、「わしゃ知らねえ」と、親分が逃げてしまったようである。こんな対応をすれば、岸田首相に、もろに国民の反発の波が襲い掛かるのに。「聞く力」を重視し、聞き上手なはずの岸田首相は、自分が馬鹿なことをしているのに、気がつかないのか。
案の定、マスメディアの世論調査では、高かった支持率が、軒並み急降下。当たり前だ。国民を馬鹿にしないほうが良い。必ずや、しっぺ返しを食らうのではないか。

 そう言えば、岸田政権は、このところ、政権に「脱安倍」という補助エンジンでも取り付けたのか? 安倍より右へ! 岸田政権は右に旋回し始めていないか。

★ 岸田政権、安倍政権よりも「右旋回」しだしたのだろうか?

 上記のテーマをいくつかのポイントで、チェックしてみよう。

朝日新聞8月21日付朝刊記事より以下、引用。
見出しは、4段。「防衛予算 事項要求100超」「例外扱い 巨額化の可能性」
見出し終わり。

岸田政権右旋回。まず、最右翼は、防衛費(軍事費)倍増(増大)。

同紙本記記事引用。「防衛省は来年度予算案の概算要求で、今年度予算比で約4千億円増となる5兆5千億円超とは別に、要求金額を示さない『事項要求』を100項目以上盛り込む方向で調整に入った。(略)事項要求には『敵基地攻撃能力(反撃能力)があると見込まれ、射程が長い『スタンド・オフ・ミサイル』の運用も含められる』という」。反撃能力から攻撃能力へ。「岸田政権は防衛費の大幅増を目指して」いると朝日新聞記事は、伝えた。

 これでは、専守防衛の予算「防衛費」から、日米軍事同盟の協力予算「軍事費」へ、日本の軍事予算は、防衛から軍事へ大きく変質ししようとしていると言っても差し支えない状況ではないのか。憲法との関係で大きな課題としなければならないだろう。これは、安倍元首相の「遺志」なのか? 中国や北朝鮮、ロシアなどをいたずらに刺激することにならないか。日本の国民も、生々しい画像で毎日のようにウクライナ戦争を見せつけられ、ウクライナとロシアの間に国境線があるのと同様に、日本とロシアの間にも、国境線があることを改めて思い出させられ、卑怯なロシアから我が身、我が家族、我が国家を守らなければならないということに思いが至り始めた。それゆえ、防衛より軍事優先という権力者の意識と同調することに抵抗感を無くしつつあるのではないのか。これは由々しきことだが、その変化を見逃してはならない。

これまでの記事から。

 内閣改造は、宗教改造? 旧・統一教会系の閣僚などを増やす。安倍政権の延長のように旧・統一教会系の議員をより多く、入閣させているのではないのか。
「旧・統一教会」と自民の連立政権、という言葉も出始めた。

 安倍元首相葬儀の国葬化:安倍さんが、岸田さんに「私が死んだら、葬儀は、是非、『国葬』でやっていただきたい」とでも、「遺言」したのか。これも、安倍さんの遺志(メッセージ)? これは、そうではないのではないか? 流石の安倍さんも、こんな遺志は、残さなかったのではないのか。銃撃による突然の死。死んだという意識も脳内には浮かばなかったのではないか。政治家としての業績半ばで、凶弾に倒れた。国葬強行は、アベメッセージではなく、明らかに岸田政権の意思表示だろう。国民の半分が、国葬化に反対しているというのに、岸田政権周辺では、ゴリ押ししそうな空気が強まってきている。意地でも強行する、という空気である。安倍流「分断」、お得意の「ゴリ押し政治」直伝なのか。ちかごろ都ではやるうた。岸田政権、一皮むけば、安倍政権。「聞く力」から「聞かない力」へ。「聞く耳持たず」の岸田政権。「黄金の3年」で、岸田派は、安倍派を超えるつもりなのか。そういうことをしても失速はしないとでも、思っているのだろうか。

 私が、岸田首相に質したいのは、安倍氏を葬る「国葬」へのこだわりである。なぜ、こだわるのか? 「聞く力」の岸田政権なら、従来通りの首相の葬儀を内閣・自民党合同葬でやるだけで良いのではないのか。与党内にも、安倍の「国葬」儀式に首をかしげる人は、いるだろうに。

 さらに、ウクライナ戦争や夏の電力不足を口実にした原発再稼働への動きなども、6月の閣議決定「骨太の方針」によるという理屈らしいが、私には腑に落ちない。安倍さんがいなくなったのだから、自由闊達に岸田流政治を通せば良いのに、と思う。ところが、原発再稼働こそ、岸田の本音らしい。

★国葬反対派の意見

それは、以下のようなことだろう、と忖度する。

 日本社会の右傾化に拍車をかけた安倍長期政権の疑惑や問題性のある言動が検証されないまま、没後、短期間のなかで「国葬」が閣議決定されてしまったことに対する疑心・疑念が国民の間に蔓延している。

 したがって、安倍元首相の葬儀は、「国葬」の是非というレベルや安倍政治の検証だけの論議ではなく、「聞く力」優先の岸田政権の豹変、「聞く耳を持たず」という猛進へと変わった「意図」を読み解く必要があるのではないのか。

 そう考えると、今回の「国葬」の強行は、自民党のなかでも特段の保守的強行派であった安倍政権から岸田政権への、保守派権力継承宣言のようなものなのではないのか。と思い至った。安倍派を中心にした自民党内の保守派を糾合し、そこに新たな保守の軸として己を据えて、安倍元首相執念の憲法改定を自分の代で実現させようということなのではないのか。ならば、岸田政治は、安倍政権に負けず劣らずの極めて危険な政治家なのかもしれないではないか?

 こうした岸田政治について、九州大学の内田博文名誉教授は、こういう。「いわば安倍氏の神格化を進め、安倍氏悲願の憲法改正を実現させることで、与党内での自身の地位を確固たるものとする。岸田首相はそのために国葬を政治利用しているのではないでしょうか」と述べているが、まさに、慧眼と言えるのではないか。
以上、毎日新聞9月5日付け夕刊記事より概要引用した。引用終わり。

 岸田首相は、「国葬強行」というボタンを押すことで(どこかの権力者が「核のボタン」を押すように)、安倍政権を継承することを国民に宣言したいのだろうか。世論が勝つか、岸田政権が勝つか、日本の民主主義の分岐点が、ここにあるのか。この問いに対する回答を提示するのは、ジャーナリズムの正念場であろう。

 ところで、マスメディアの、特に政治部の記者たちは、以下のような表現を平気で自分の原稿に書き込める人たちなのか。

 【受け入れた】という言葉は、ここでは、「お目こぼし、このご恩は、忘れません」というのが本音の意味なのだろう。

 朝日新聞8月13日付朝刊記事では、副大臣や政務官任命について個別の名前を挙げた上、「計13人が、朝日新聞の取材などにイベント参加や祝電など教団側との接点を認めた」という。以上、引用。しかし、この記事は、記者の確認が不十分で、内容がスカスカだった。

 その後の取材で、朝日新聞も10人増え、他社並みの「計23人」として確定する。こういう取材は、共同通信が、手馴れていて、上手く素早く原稿をまとめてくれる。

 今の、自民党では、旧・統一教会と「接点」のない人で閣僚などを務められる人たちが少ないのだろう。接点なしの人ばかりで内閣を組むことができないということなのだろうと思うが、そういう実態の方が恐ろしい。いや、組閣どころか、新たに派閥を組むことも暫くは難しそうだ。

 さらに、日刊ゲンダイによると、今回の改造内閣では、いわゆる宗教右派と呼ばれる団体に接点のある人物のうち、「旧・統一教会」系が7人(8人の間違いか)、「日本会議」系が11人、「神道政治連盟」系が18人であったという。閣僚の数は、全部で19人だから、宗教に熱心な閣僚たちは、2つか、3つか、宗派に関係なく関係団体だか友好団体だか、との「接点」を複数持っているということなのだろう。そうなると、神道政治連盟系は、閣僚のほぼ全員、日本会議系は、半分以上、旧・統一教会系は、4割強。宗派を蔑ろにし、弄び、選挙の「道具」として便宜的に利用(悪用)するだけの政治家たち。自民党の政治家諸君。恩を売られたら、気をつけないと、首根っこにいつまでも恩をぶら下げられっぱなしになるよ。ああ、嫌だ、嫌だ。クワバラクワバラ。

★旧・統一教会と安倍元首相の死後も「密着」とは?

朝日新聞8月13日朝刊記事より引用。
&deco(blue,,){「世界平和統一家庭連合」(旧・統一教会)の友好団体「天宙平和連合」(UPF)が12日、韓国で、「世界の平和」などをテーマとするイベントを開いた。発表や関係者の説明によると、7月に銃撃事件で亡くなった安倍晋三元首相への追悼も行われ、参加者が献花したという。アメリカのトランプ前大統領もビデオメッセージを寄せ、安倍元首相に対する哀悼の意も表明したという。UPFが開いたイベントには、2021年9月に安倍氏がビデオメッセージを寄せている。
};

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★容疑者は、「思い込み」で安倍元首相を殺したのか?

 読者の皆さん。
 安倍「暗殺」事件では、マスメディアやSNSでは、旧・統一教会や安倍元首相、政治と宗教団体などといったテーマの情報が溢れ出ているのに比べると、容疑者関連の情報が少ないと思われるのではないか。安倍元首相を銃殺した山上徹也容疑者は、目下、精神鑑定中である。鑑定結果が出るのは、11月。そこで、起訴されるかどうかが決まってくるだろう。それまでは、容疑者側の情報は出にくい。容疑者が、起訴され、被告になって公判廷に出廷してきちんと犯行の動機を説明しない限り、容疑者側の重要な情報は出てこないだろう。

 容疑者の、いわゆる「思い込み」説について私はこう思う。思い込みとは、字面を額面通り、理解するなら「事実関係を十分に確認せずに、時には、誤解したまま、勝手に信じ込むこと」となる。マスメディアなどが報じる容疑者の人となりを理解すれば、この事件の犯罪性の是非は、安倍元首相と言えども(?)、言論の自由はあり、その言論が殺害、それも「銃殺」という暴力によって強引に封じ込められたことについては、断じて容疑者を許せないが、そういう視点を離れて、この事件を鳥瞰すれば、この容疑者は、自家製銃の作り方など実務対応の点では、冷静で、かなり緻密なのではないのか、と思う。人生の転機が早い時期にあれば、このような犯罪を起こさなかったのではないか。

 安倍元首相が、長期政権を誇った超強硬な保守政治家ではなく市井の市民であり、容疑者から私事がらみの怨恨の末に殺されたとしたら、マスメディアでは、「怨恨による殺人事件」として、発生時に記事を書くだけで片付けられてしまっているだろう。それでは、この容疑者にとっては、殺害計画の失敗を意味したのではないか。ところが、警察の警備の不備というか、不手際という「大応援団」の力が功(?)を奏して、国家を巻き込む歴史上の「重大事件」に仕立て上げることとなった。その影響で連日、大きく取り上げられることになった結果、マスメディア史上有数の大事件となったと思われる。それは、奇妙な言い方を恐れずに言えば、「容疑者の命を賭けた犯罪目的達成」を意味しているのかもしれないのである。それは、いずれ、11月になれば、容疑者の供述や精神鑑定の専門家の所見、それに対する社会的な反応などという形で、「達成譚」は、伝えられてくるのではないのか。マスメディアにとって、容疑者の母親が旧・統一教会に寄せた1億円の献金額の大きさ(金額が、例え倍増しても、それは、宗教がらみのトラブルの範疇の話に過ぎない)よりも、マスメディア全体を揺るがした元首相暗殺事件の宣伝効果(プロパガンダ → 容疑者のネームバリュウを高める)の方が、ニュースバリュウの度合いは、はるかに重い、というわけだ。さらに、政治的には、自民党内で旧・統一教会系に括られる(あるいは、取り込まれる)議員が、120人もいるということの驚きである。その深刻さは、目下、自民党の屋台骨を揺るがしかねないほど重症なのではないのか。自民党が長年取り組んでいながら効果が今ひとつの「派閥解消」は、いとも簡単に、まるで、派閥解消に成功し、派閥横断的に「旧・統一教会」系という大派閥が、自民党という「湾」に浮き上がってきたという感じである。浮き上がってきたのは、統一教会と深い関わりの源泉である「安倍一族」の当代の戸主という、「最も影響力のある」政治家である。この男を、報道陣(報道の記者・カメラ)、さらに遊説の聴衆たちの持つ携帯電話のカメラの前という、いわば「千の目」の前で、たった2発の銃弾で殺害してしまった。メディア的には、容疑者は「最大の見せ場(?)」を演出し、目的達成したということなのではないのか。容疑者は、犯行後、ほとんど抵抗せず(警察の警護人の「攻撃」に対する条件反射的な抗いは見せたが)、素直にお上の「お縄についた」のである。いや、容疑者にとって、精神鑑定後の闘いこそ、本物の、次の舞台ということなのかもしれない。安倍殺害は、いったい誰が仕組んだのか。孤立した容疑者だけの犯行なのだろうか。

★容疑者の実像?

 社会学者で成蹊大学の伊藤昌亮教授が描く容疑者像が、記者の聞き書きとして、朝日新聞8月30日付朝刊に掲載されていた。当該記事より、以下のようにメモ的に概要引用。容疑者の実像に少し近づくことができるか。大事なポイントは、韓国が影を落としている、ということか。韓国人が利用する反韓国意識とは。反左翼。もう少し、知りたいテーマだな。ここは。

[伊藤メモ]より引用
山上徹也容疑者:
*リベラルに対する反感、「嫌韓」意識が極めて強い。
*「ネット右派(ネトウヨ)」的。
 ただし、ネトウヨ特有の熱狂的な安倍元首相(強者)への支持感がない。容疑者は、安倍(強者)を全面的に肯定できない。
 安倍という強者の下に集うようなネトウヨになりきれない。孤独な容疑者。
*個人的に教団への「母の献金問題」があり、旧・統一教会に深刻な被害者意識がある。旧・統一教会も許せない。
*「インセル」(不本意な弱者の独り者)
*弱者の容疑者。ネトウヨやリベラルからもすくい上げてもらえなかった。

安倍晋三:
* ネット右派は安倍(強者)を「リベラルと戦う存在」として熱狂的に支持。
* 容疑者は、安倍(強者)を全面的に肯定することはできなかった。
* 安倍と国際勝共連合との関係。

旧・統一教会:
* 日本の植民地支配や戦争責任を強調する「自虐史観」を掲げる。
* 共産主義・リベラルとは、敵対。反共、反左翼。
* 自民党内にかなり浸透している。

リベラル:
在日コリアンやLGBTQを弱者として支援する。
容疑者は、そういう対象にもされない。

ネット右派:
容疑者はネット右派にもなりきれない。

容疑者は、リベラルにもなれず、ネット右派にもなれず、修行僧のようなインセル生活を続けてきた。
以上、引用終わり。

成蹊大学の伊藤昌亮教授:「事件後、模倣犯を危惧する声が識者などから出ましたが、模倣犯などよりもむしろ自力救済しかないと思い詰める人々が増えていると思われる日本の現状にこそ事の重大性があります。社会経済状況が悪化する中で、誰の助けも得られず、行政には絶望しか感じない――このような負のスパイラルに陥ることを避けるにはどうすれば良いのか? 既存政治への不信が蔓延するこの国の行く末が問われていると言っても過言ではありません」。
以上、引用終わり。

★政治家と旧・統一教会

 衆参議院に所属する国会議員712人(1人欠員)と世界平和統一家庭連合」(旧・統一教会)との、いわゆる「接点」関係について、共同通信がアンケート調査をしたという。8月13日付毎日新聞(デジタル版)が、アンケート結果を伝えた。

以下、同紙記事より、引用した。
(それによると、)「旧・統一教会の関連団体などのイベントに出席したり、選挙運動の協力を受けたりした、いわゆる「接点」があった議員は、106人に上ることが13日、分かった。うち、自民党議員は82人で8割近くを占めた。教団が自民党を中心に政界に幅広く浸透している実態が改めて明らかになった。

自民の組織選挙に加えて選挙支援・投票協力(促進)活動に特定ボランティアグループ「導入」という、いわば「秘密兵器」のようなものが隠されていた、という話へ移ろうか。

以下、 朝日新聞8月20日付朝刊一面記事より概要引用。
見出しは、黒ベタ、白抜きの6段。「教団側支援 陣営『外では言うな』」。大見出しの左手に、「自民前議員ら旧・統一教会側との関係証言」が控えている。
さらに二面では、同じ「黒ベタ、白抜き」(こちらは5段)の大見出しが2本。
「当選後に『研修』安倍氏の映像」「安倍氏『自分で頑張れないか』。/「温泉旅館に1泊教団側が負担」「支援得られず再選出馬を断念」

 前回の選挙の際、陣営幹部が言った科白が気になる。「外では言うな」。
候補者に注意した「言うな」(他言無用)とは、何か。

 舞台は、2016年の参議院議員選挙。候補自身は、2012年から「日本臨床衛生検査技師(日臨技,東京都)の会長を務め、4年後の16年参議院議員選挙比例区で初出馬、初当選している人が登場する。この人は、旧・統一教会側と選挙がらみだけで、一回接触しただけらしいから、マスメディアの取材にはよく喋ったのだろう。本人は、改選期とあって当初参議院議員を継続したかったようで、22年の選挙を控えて、自民党の公認もとっていたらしいが、「上の方」の判断で、教団側からの支持を得られなかったので、それを理由に党の公認候補辞退、立候補そのものも辞めてしまったという。「上の方」とは、誰だったのか。

 陣営幹部の票読みでは、2016年の初挑戦の際は、「日臨技」の政治団体の組織票で3万から3万5千、ほかの関連団体の組織票で2万、「教団」票6万から7万で、合計12万2千余票を得て、初当選した。なんと得票の半分は、「教団」票である。これでは、「日臨技」候補というより「教団」候補じゃあないのか。当選後、候補は、「世界平和統一家庭連合」(旧・統一教会)の友好団体「世界平和連合」から、教会や集会などでのあいさつ回りを求められたという。「研修」にも参加させられた。研修では、教団の友好団体である政治組織「国際勝共連合の歴史や、岸信介元首相との繋がりも聞かされたという。岸氏の孫である安倍晋三元首相が登場するビデオを見せられ、『安倍さんは我々の目標とする反共を理解してくれている』との話もあったという。

 16年の選挙は、出馬をやめなかった。だから、陣営幹部も外では言うな、と言いながら「秘密兵器」を持ち出した。旧・統一教会の大型ボランティアグループの導入である。ボランティアたちは有権者に支持への呼びかけをする電話をかけた。候補への支持を訴える数万通の選挙ハガキを郵送する手伝いをした。ビラも配布した。他力本願ながらこのときの彼には当選という新境地が待っていた。候補は、「教団の力は、すごいなと思った」という。教団側は、「候補の政策が我々の理念と一致したため」協力したということだったらしい。

 候補は、安倍元首相との面会が実現した際、「前回と同じように応援票を回していただけませんか」と頼んだという。だが、安倍氏は、「もう少し頑張らないと」などと、はっきりした考えを示さなかったという。その後も、再び、安倍氏からは「自分で頑張れないか」などと言われたという。旧・統一教会の「秘密兵器」は、安倍元首相本人が仕切っていたのだろうか?

★ 旧・統一教会の「友好団体」という「接点」(からくり)

 旧・統一教会/友好団体/自民党の政治家という「接点」(からくり)が、浮き上がってきた。朝日新聞8月31日付朝刊記事より、以下引用。
「教団(旧・統一教会)が『友好団体』と主張する団体」は、「『教団』とは別団体とされているため、教団との直接の関係を否定する国会議員もいる」

教団の主な友好団体は、次の通り。

国際勝共連合:反共の政治団体
世界日報社:日刊紙「世界日報」発行
世界平和女性連合:女子留学生の支援
世界平和連合:世界平和実現
天宙平和連合:世界平和実現
平和大使協議会:平和大使の世界的なネットワーク

など。

なんか、安キャバレーのチラシ(と言ったら、キャバレーから叱られるか。少なくとも「安キャバレー」は差別語だろう!)のようなネーミングの看板が立ち並んだ、奇妙な路地に迷い込んだ気がする。それにしても、いい加減なネーミングの花盛り。

他人(ひと)の行く裏に道あり 花の山。

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★ロシア国営テレビの女性編集者
           たった一人の反戦行動で、「自宅軟禁」

続報である。
 「ロシア国営テレビの生放送中に反戦を訴えて辞職したジャーナリストのマリーナ・オフシャニコワさんが再びロシア当局の取り調べを受け、モスクワの裁判所から11日、10月9日まで2カ月間の自宅軟禁を言い渡された。ロシア国営ノーボスチ通信などが一斉に伝えた」。以上、朝日新聞8月12日付夕刊記事より引用。

 オフシャニコワさんには、すでに罰金刑が、2回言い渡されたのに、さらに、2ヶ月の自宅軟禁まで追加されたが、これには、続編があった。以下、引き続き、同紙より、本文記事を引用。

「(略)オフシャニコワさんは7月15日にモスクワ中心部の川岸で「プーチンは人殺し。彼の兵士たちはファシスト。352人の子供たちが死んだ。あなたが止まるためにはさらに何人の子供たちが死ななければならないのか」と書いたプラカードを持って1人で抗議活動をしていた。そのことが、「ロシア軍に関する偽の情報を拡散した」として罪に問われたという」。以上、引用、終わり。

★ ロシア思想家 車爆発で娘死亡

 この見出しでは、一般の人には、判らないだろう。
 もう一人、ロシアの女性ジャーナリストの話である。女性ジャーナリストが「20日午後9時過ぎ、運転していた車の爆発によって死亡した」。朝日新聞8月22日付朝刊記事より引用。

「娘が車の爆発で死亡した事件で注目が集まるロシアの右派思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏(60)とは何者なのか。欧米メディアは、「プーチンの頭脳」とも呼ぶが、(略)」。「ロシア大統領の側近とみられており、『プーチンのラスプーチン』とも呼ばれている」という。以上、同紙8月23日付朝刊記事より引用。

贅言;ドゥーギン氏は、「2009〜14年にモスクワ大学で国際関係の教授を務め」たと言われる。彼の主張は「ネオ・ユーラシア主義」と呼ばれるという。

★ロシアの反リベラル「ネオ・ユーラシア主義」
        
以下の記事は、「読売新聞オンライン(デジタル版。4月28日付)」から引用。
インタビュー記事「静岡県立大学 浜由樹子准教授に聞く」より、ネオ・ユーラシア主義の説明部分を概要引用した。浜准教授は、国際政治・ロシア研究が専門という。以下、引用。

「現在のプーチン大統領にイデオロギーがあるとすれば、それは「反リベラリズム」だ。その補助線として、現在のロシアで一定の影響力を持つネオ・ユーラシア主義について知る必要がある。1920~30年代、革命後のロシアから欧州に亡命した知識人たちは、自らのナショナル・アイデンティティーのよりどころとして、ヨーロッパともアジアとも異なるロシア独自の社会・文化圏を想定した「ユーラシア主義」を提唱した。(略)。

91年末のソ連崩壊後、社会主義と決別したロシアが新たなナショナル・アイデンティティーを模索する中でユーラシア主義が見直され、再解釈が加わったネオ・ユーラシア主義が生まれた」。(略)。

 以下、再び、朝日新聞記事「爆発・死亡」の引用を続ける。
 「インターファクス通信によると、ロシア連邦保安局(FSB)は22日、「ウクライナの特殊部隊による犯行だ」と発表した。(略)。一方、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は21日、『ウクライナは爆発と関係ない』と関与を否定している。(略)」。以上、同紙より、引用終わり。

 ロシアとウクライナ、この事件について、どちらかが、確実にウソをついている。ウソをついている方も、ウソをついていない方も、己だけは、真実を知っている。フェイクニュース合戦も、熱くなってきた。

     *********************

★ チェルノブイリの月(5) 〜原発への旅の記録

 時空は、10年前に飛ぶ。
 2012年4月17日、日本ペンクラブ(ツアーには作家、評論家、ジャーナリスト、編集者などが参加している)のチェルノブイリ原子力発電所(原発と廃炉)視察一行に私も加わり、成田空港から空路ウイーンへ飛び立った。

 さらにウイーン空港経由キエフ(現在は、ウクライナ語で、「キーウ」)空港へ。直行便がないので、ウイーン空港で別の航空機に乗り換えた。合わせて12時間の空の旅であった。日本との時差は6時間。無事着陸後、キエフの中心街にある独立広場近くのホテルにチェックイン。荷物を各自の部屋に置いて、若干、休憩をした後、とにかく食事へ、ということで街へ出る。

 翌日(18日)からは、キエフ市内の関係機関などの視察・面談など。ガイドさんが作ってくれていたスケジュール表をこなす。メニューは、盛りだくさん。23日には、帰国する便に乗るので、視察は、正味5日間。メインの訪問先のチェルノブイリ原発を含め、視察先も精選しなければならない。主なところで市内にある放射線医学研究所、36年前チェルノブイリ原発の爆発事故で被曝した人たちの団体代表との面談、チェルノブイリ博物館視察とボリュームのある重量級のメニューをこなした。

贅言;1986年4月26日午前1時23分(モスクワ標準時)にソビエト連邦の構成国(当時、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国)のチェルノブイリ原発(原子力発電所)4号炉で原発の爆発事故が起きた。
事故後、決められた国際原子力事象評価尺度(INES)では、原発事故は7つのカテゴリーに分類されるが、チェルノブイリの場合は、「深刻な事故」を示すレベル7に分類された。

贅言;国際原子力事象評価尺度(INES)は、国際原子力機関(IAEA)と経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)が定めた尺度で、1992年に各国に採用するよう勧告された。
 原子力施設等の異常事象や事故は、その深刻度に応じて7つのカテゴリーに分類される。各国は、異常事象や事故をこの尺度を使って深刻度を判定し、発表する。
東京電力福島第一原子力発電所事故の場合は、その放射性物質の放出量から「レベル7」と判断されている。

★チェルノブイリ「原発」視察へ

 そして、19日は、いよいよチェルノブイリ原子力発電所行き。ここは、今回の視察のメイン。1泊2日の行程。1泊は、チェルノブイリの現地泊まり。チェルノブイリ非常事態庁の宿泊所に泊めてもらうことになっている。各国・各地からチェルノブイリ原発に出稼ぎに来ている人たちの泊まる宿舎らしい。

 チェルノブイリ初日の予定(メールマガジン「オルタ広場」連載では、掲載済み)も無事こなした後の疲労感と安堵感も味わいながら、私たちは、施設の食堂のテーブルを囲み、夕食と少々のアルコールを戴いた。1時間ほどの夕食を終えて、粗末なテーブルを離れた。テーブルは、カーテンで仕切られていた。カーテンを開けて、売店のあるホールのような場へ出る。そこでは、他のグループがテーブルを囲んでいた。一日の作業の疲れを取る人たちが、賑やかに歓談しているようだった。

 テーブルとテーブルの隙間では、酔いの廻った女性たちが踊っている。狭い空間なのでホールの隅だけを通るというわけにはいかない。同行者とともに、私は踊りの輪の中に入り、踊りの隙間を抜けて、通り過ぎようとした。すると、中年の女性が踊りながら、私の行く手を遮る。踊りの邪魔をしては行けないと方向を変えて避けようとすると、その先々に女性の体が執拗に移動して来る。楽しく踊っているところを素通りするので、怒っているのかな。邪魔をしているのかな。などと思いながら、なんとか踊りの脇をすり抜けて輪の外へ抜けて出た。しかし、よく考えれば、東洋人と見られる一行が、チェルノブイリまで来て、踊りの輪の中を通り抜けようとしたので、「いっしょに踊りましょう」というシグナルを送っていたのだろうか。暫くして、そう思いついた。但し、そういう考えを思いついたのは、踊りの輪を離れてしまった後であり、まさに、「後の祭り」だった。

★ 歌舞伎の「紅葉狩」 〜侍女・岩橋の行動?

 歌舞伎の所作事(踊り)の演目に「紅葉狩」というのがある。九代目團十郎が選定した「新歌舞伎十八番」の演目の一つで、今も、上演されることが多い人気演目だ。信濃の戸隠山に従者を連れて紅葉狩に来た平維茂一行が、奥深い山中で女性ばかりの紅葉狩の一行と遭遇した。平維茂一行は、女性たちの邪魔をしないようにと立ち去ろうとしたら、近づいてきた一行の更科姫や侍女たちから、一緒に紅葉を愛でましょうと宴席に誘われる場面がある。

 その場面では、おカメのような愛嬌のある化粧をした腰元の岩橋が、平維茂の行く手を遮る。結局、平維茂らは、宴席に参加することになり、更科姫らの舞いや踊りを楽しみながら酒を振る舞われ、寝込んでしまう。平維茂一行が寝入ってしまうのを確認すると、更科姫は、突然荒々しくなり、足を踏み鳴らして異界の生き物の本性を顕す。能の後ジテ同様に、戸隠山の鬼女の本性を顕した魔物は、平維茂一行に襲いかかり、立ち回りとなる。「鬼女たちの逆襲」というわけだ。

 私は、チェルノブイリの夜、ウクライナの「岩橋」とでもいうべき女性に出会ったのに、気がつかずにすれ違ったのかもしれない。

★一夜過ごした規制区域の30キロ圏を出る
       〜2012年4月20日午前10時35分

 チェルノブイリの非常事態庁の宿泊施設で一夜を明かした翌日(20日)、立ち入り規制区域を出る私たちは、30キロ圏の検問所に出向いた。ここでは、人体の放射線量測定は無く、車総体の被曝量が量られた。これもクリアして、圏外に出ることが許可されたが、被曝データが引っ掛かれば、除染をさせられる。兎に角、立ち入り規制区域(30キロ圏)の外に、無事帰還できた。

 ウクライナの廃村では、屋根から崩れ落ちた建物や荒廃とした荒れた建物も目にしたが、森は、手入れがなされていないため、倒木や枝折れした木々が、あちこちに動物の遺骨のように横たわっていた。車で入り込んだ畦道も、人があまり通らないからだろう、雑草が生い茂っていて、土が見えない。森の木々の間には、不気味な苔も破れた絨毯を敷き詰めたようにはびこっていた。まるで、ゾウの墓場ならぬ、「森の墓場」のように見えた。廃炉の原子炉には、ゾウの足、周辺の廃村には、ゾウの墓のような森の墓。立ち退き対象地域に戻った村人たちも、放射能の濃厚な森には近づかないようにしているという。特に、キノコの放射線量は、四半世紀経っても、異常に高いままだという。

    **********

以下は、10年前の記録から、引用。テンスなどは、当時のまま。ただし、文章は若干、補筆・加筆あり。

★ 自主避難地域へ/避難は、今も「継続中」

 30キロ圏の外には、36年前(当時は26年前)の放射能雲の通過コースに当たったため放射能汚染が酷かった地域がある。こういう地域では、強制移住の対象ではないものの、自主的に避難しなければならない地域として区分けされている。強制的ではないものの、移住の対象とすべき地域だということだ。避難する人には、助成金が出るという。しかし、移住が捗らない。希望しながら、今も、待機中の住民もいれば、一旦移住しながら、さまざまな理由で戻って来た住民もいる。

 原発から80キロ離れたオブルチ市を訪れた。現在も自主避難地域であるオブルチ市。30キロ圏内の廃村地帯を抜けて、穀倉地帯に入っても、耕作をしている光景には、出会えない。東西南北を見渡しても、山一つ見えない平原が続く。道は、相変わらず、まっすぐだ。もともと、こういう幹線道路は、モスクワから治安部隊が出動する際、最短距離で一気にウクライナの「紛争地」に来ることができるようにまっすぐにしたという。遠くには、森が見える。
テレビなどの画面で見ていると、現在の戦車は、自動車並のスピードで疾走しているのがよく判る。

★ 荷馬車が行く:オブルチ市の交差点

(10年前、)オブルチ市に入ると、車が行き交う交差点で、荷馬車が堂々と割り込んで来る光景に出会った。馬も慣れたもので、御者の合図を受けて、信号も守って道路を曲がって行く。ウクライナでは、荷馬車は、物流搬送では現役の交通機関らしい。実際、郊外都市の中心部では滞在中に何台か見た。自転車に乗る人も多い。バス停に集う人たち。事故当時の人口9万5000人から、現在は、6万人になった。3分の2の居住者は、当時から残ったままか、その後生まれたか、一旦別の地域に移住して、それぞれの事情を抱えて戻って来た人たちだ。

 オブルチ市では、市の衛生疫学研究所を訪ねた。ここでは、事故当時から現在まで、食品の放射能を測り続けている。「地産地消」の多いウクライナの農村地域では、地産の農作物の放射能監視が、ゆるがせに出来ない問題だ。特に、キノコ類は、当時で10万ベクレルだったものが、今も7万6000ベクレルにしか下がっていないという。キノコは、極端だが、ほかの食品は、当時の汚染度から見れば、10分の1から100分の1に減っているという。しかし、ウクライナでは、日本のように全国から流通経路がある訳ではない。自主避難地域に居住しながら放射能汚染の食品に怯えながら人々は今も生活している。

 こういう地域では、受け入れ先の住宅の問題、病院や学校などのインフラの問題、家族の問題などがあり、四半世紀経っても順番が回って来ず、移住のめどが立たないまま、地域に留まっているという事情も聞かされたし、一旦移住したものの、戻って来た人たちもいるということで、移住問題も、現在進行形であることが判った。ウクライナでは、原発事故後の処理は、まだまだ、終わっていないし、この先、いつ終わるのかの見通しも立たないのが、実情のようだ。

★ 復活祭(パスハ):2012年4月20日午後2時50分

 復活祭(パスハ)の時期に遭遇したので、ところどころで車窓から見える墓所は、久しぶりに汚染地の墓参りに訪れた人たちが花を飾ったのであろう。人影のない墓には、さまざまな彩りの花が捧げられていた。

 復活祭は、キリスト教の典礼暦では、最も重要な祝日。十字架に掛けられて亡くなったキリストが、3日後に復活したことを記念する。英語では、「イースター」だが、ロシアなどの正教会では、「パスハ」と呼ぶという。復活祭は、年によって日付が変わる「移動祝日」である。基本的には、「春分の日の後、最初の満月を迎えた直近の日曜日」ということになる。東方教会と西方教会では、使用する暦が違うので、違った日付となることが多い。2012年は、西方教会では、4月8日、東方教会では、4月15日だった。

 原発事故さえ無ければ、この地域の人たちは、移住もせずに、いつもと変わらぬ生活を送っていただろうという思いを強くさせた墓所であった。

★「不健康」を生き続ける

 今回の旅では、いろいろな人に逢ったが、健康な人は少なく、病気に苦しんでいる人、それも多重な疾患に苦しんでいる人、癌などの重篤な病気、さまざまな恢復の難しい障害に苦しんでいる人などに出会った。

 原発から西へ60キロ。30キロ圏外だが、強制移住の対象地域の、ナロヂチ市。ここでは、地区の病院を訪れた。特に、事故当時の幼児から青少年の世代も大人になり、その世代の子どもら(いわゆる二世世代)の健康にも影響が出ている。障害者として、月に日本円で1万円程度の年金は支給されながら、原発被害者として認定されている訳ではなく、苦しい生活を余儀なくされている。障害者となってしまった「結果」(体が、不健康ということ)に対する年金は、余りにも少ない。障害者にさせられた「原因」(被曝が、障害を生んだということ)について、行政側は、何をしているのだろうか。「被曝認定」などという措置は、何もしていないのかもしれない。ナロヂチ市では、地区の病院で小児科医に話を聞いた。「今、この地域に住む子どもで、健康な子どもは一人もいない。うち、13人は、先天的な障害がある」、女医のマレーナ・ミシュークさんは、そう断言する。病院で話を聞いた後、そういう子どものいるふたつの家庭に案内してくれた。一人は、8歳の少年がいる家庭。母親が、18歳で被曝し、8年前に子どもが生まれたが、多重疾患で、将来生き続けることを誰も保証しなかったという。それでも、少年は心臓、涙腺など5回の手術を経て育っている。小学校にも入学した。今後も、摂食障害(食べ物を噛んだり、飲み込んだりできない)を起こしている顎の手術、脳の手術などが必要だという。「学校は、楽しいかい?」と聞くと、元気な声で「楽しい」と言ってくれた。次の訪問先へ移動する私たちを窓から見送ってくれる少年の姿が見えた。周りの住宅地からは放し飼いされたアヒルや鶏が飛び出して来た。戦後の日本の原風景のように見えた。この原風景は、ロシア軍の軍事侵攻でどのように変わってしまったのか?

 次に訪ねた家庭では、20歳の長女と17歳の長男がいる。長女は、脳性麻痺。長男は、生まれた時は、異常はなさそうに見えたが、後に、成長するにつれて発達障害が出てきたという。母親の父親は、寝たきり。父親は、アルコール依存症。母親も、さまざまな癌が転移してしまい、病院から追い出されたという。ウクライナでは、社会主義時代の制度が残っていて、保険制度は無いが、医療費は無料。しかし、無料という医療費は、診察代だけのことで、薬代や手術代は、別途掛かる。これが、馬鹿にならない。この母親の場合も、医療費が払えず、病院から追い出されたらしい。

 2022年では、長女は、30歳になっているはずだ。脳性麻痺。長男は、27歳。発達障害。病魔と闘いながら、生き永らえておられるか。ロシア軍は接近してこなかったか。10年前の人々を思い起こす。

 ウクライナの首都・キエフ(現キーウ)では、放射線研究所のほかに、内分泌研究所も、訪れた。ここでは、ウクライナで被曝し、甲状腺癌を発症した人たちの手術を集中的に行って来た。高汚染地に住んでいた1万3000人を対象に継続観察を続けている。毎年2回調査をし、甲状腺は、精密検査をしている。その結果、チェルノブイリ原発事故のあった1986年、ここで行った甲状腺癌の手術は、4例だったが、事故から4年経った1990年には、1年間で62例に増加した。以後、年々増え続け、2011年の年間手術は、700件に及んだという。年々増える傾向が、今も続いているという。被曝した子どもに多いと言われる甲状腺癌の推移観察は、むしろ、今後の大きな課題だろう。甲状腺癌の患者たちは、息災か。

 研究所には、クリニックが併設されていて、甲状腺癌の手術も実施している。手術で癌を摘出した後は、患部に残った癌を死滅させるために高濃度の放射線ヨウ素の錠剤を服用させて体外に排出させる治療方法をとっているという。患者は、鉛を張り巡らした隔離病棟で5日間を過ごす。被爆時、8歳だったという男性が、隔離入院していたが、この男性は、キエフから10キロほど離れた村に住んでいて、事故当時は、原発事故処理班の車が村に出入りするのを見かけただけだという。それが、去年の秋、突然、甲状腺癌が見つかり手術を受け、治療を続けているということだった。この男性は、錠剤服用中だったので、線量計はピーピーという大きな音を立てて、30ミリシーベルトという数字をはじき出した。

★ ★ 日本とウクライナ

 日本のような地震列島の上に林立する原発は、一旦事故が起こった場合の総費用を考えれば、経済的にも原発を無くし、一日も早く、別の発電手段に切り替えることが、結局、安く上がるのではないかと思った。

 フクシマでは、ウクライナと同様の汚染の可能性に加えて、再び、地震・津波があれば、原発建屋の崩壊の危険性、放射能の再噴出というチェルノブイリには無い地震列島日本の独自の危惧もある。そういうことに気がついていれば、再稼動どころか、フクシマの原発対策こそが、焦眉の急だろう。政権の原発担当者は、チェルノブイリに行かなければならない。放射能から国民の身を守るのは、究極的には、原発を無くさなければ、不可能なのだろうということを実感して欲しいと思った。

 国土の一部が使えなくなる。住み慣れた懐かしいふるさとに近づけなくなる。永久的な地域社会の喪失は、経済的な財政負担として数字化すれば、莫大な損失だろう。今議論されている社会福祉対応だけでなく原発後始末のための消費税増税という議論も必要になってくるのではないだろうか。そういうことも計算に入れて見れば、原発推進派のしているようなエネルギー政策だけの損得勘定では、この問題の真相は見えて来ないと思う。国民の健康のためにも、国家の経済のためにも、脱原発が、何よりの策という認識が必要だろう。

 そういうことをトータルで考えると、経済的効果の損得勘定もさることながら、原発から身を守るためには、原発を一日も早く無くすことが人類の命を守るために効果的で、それを実現させるために努力するしか人類の進むべき道は無いということをチェルノブイリは、教えているように思えた。

 ウクライナでは、チェルノブイリ原発は、廃炉にしたものの、別の場所に新たな原発を建設・稼働させているということで、エネルギー政策について、価値観を変えて、脱原発路線に変換したという訳ではないのだ。最近の新聞報道でも、ウクライナのアザロフ首相(当時)は、「原発放棄は、ウクライナは出来ない」と改めて、強調したという。首相は、原発による電力価格は、太陽光発電の50分の1だと指摘し、経済性の高さを理由にあげたという。為政者の目は、今も曇っている。

贅言;アザロフ首相(ミコラ・アザロフ)は、ウクライナの政治家、第14代首相として、2010年–2014年、在籍した。私たち一行が、ウクライナに行ったのは、2012年であった。

 キエフで放射線医学研究所や甲状腺がんの手術をするクリニックが併設されている内分泌研究所などの幹部(副所長や所長)の話を聞いたが、日本とチェルノブイリの比較をする質問をすると、日本「ダイジョウブ派」の(例の)医者や学者たちの情報が、サウンドされているらしく、日本では、専門家たちが「適切」に対応しているので、チェルノブイリの「10分の1」程度の被害で済んでいる、日本の技術水準は、高いからダイジョウブだろう。食を巡る環境がウクライナの地産地消とは違い、流通が広域的だから、ダイジョウブ。事故後の処理も適切に推移しているから、ダイジョウブなどというリサウンドされた答が返って来て、日本では、「ダイジョウブ派」の言説などに惑わされないのに、ウクライナからも同じような内容の説明がされると惑わされる人も出てくるのではないかと、危惧した。

★ ウクライナ戦争への日本的感覚

 ウクライナは、ロシアなどと国境を接している。島国日本は、海の中に独立している島嶼だから、日常的には国民生活では、国境を意識しない人が多いだろう。ところが、今回のような大国が、何を勘違いしたのか、あるいは、他人の領土を力づくで無理やり奪おうというのか。戦争には確信犯的な意図で、攻めて来ることがあり得ると意識させられた。「戦争」というものはこういうものか、ということを日本国民も改めて知らされた。日本列島という島嶼国家は、一旦、国境を意識すると周りの国際状況が実線で浮き上がってきて、薄ら寂しい恐怖感に襲われるようになるというものだ。なぜなら、日本列島の東の海にある国境は、アメリカと接している。北から西へ向かう国境は、海のなかにあり、ロシア、中国、北朝鮮、韓国、台湾のほか、東アジアの諸国などと国境を接していることに気がつく。それが、ウクライナ戦争を日本人に印象付けさせた。これがウクライナ戦争への日本的感覚である。

 島嶼日本のその向こうには、中近東、アフリカ、ヨーロッパと隣国の連鎖が続いていることを知らされる。日本列島は、海に国境線があるばかりではなく、重層的に国境線の高潮が、ある日突然、島嶼に押し寄せて来ることもあり得るのだ、と知らせる。

 ウクライナからのニュースは、ゼレンスキーもプーチンも、フェイクニュース合戦の様相だ。軍事作戦は、どちらが仕掛けたのか、仕掛けられたのか。これは、プーチンだろう。情報合戦は、どちらが、流したのか、流されたのか。

 今回のシリーズでは、「チェルノブイリの月」という10年前の原発視察報告書の上に積み上げていた埃の山から埃を払い、色も変わった報告書取り出すきっかけとなったのは、ロシアが仕掛けたウクライナ戦争であった。あの時、あの日、深刻な事態を引き起こしたチェルノブイリ原発事故から26年たった時点で、事故から25年(四半世紀)を一区切りにして、無用の長物となっていた原発・廃炉を観光資源に変えるため、当時のミコラ・アザロフ首相は、被爆地解禁ツアーというべきアイディアを売り出したのであった。私たちは、2011年の日本列島の東北地方を襲った地震や津波にどう対処するべきか、という大問題に直面することとなった。原発事故も、日本列島の立地条件から見れば、大地震による原子力施設の爆発、火災、倒壊、津波による破壊など大問題は、目の前に立ちはだかってきた。日本ペンクラブでは、アザロフ政権の被爆地解禁ツアーに乗っかってか、載せられてか、ウクライナへ、チェルノブイリ原発・廃炉へ、と視察の目を向けたのだった。そして、2022年2月24日、狂気のプーチンは、理不尽な宣戦布告なき、非正義の戦争に入り込んできた。そして、そのウクライナ戦争はロシア劣勢のまま、半年以上経ってもいまだに続いている。チェルノブイリ原発事故で亡くなったり、重篤な病に侵されたりした人々の命と生活、病との戦いを残したまま、あるいは死への迷い道にさそいこみながら死出の夜道を歩かせ続けているかもしれない。そう、10年前知り合った人々との文通も、ほとんど絶えてしまったが、あの人たちの無事を知りたいという強い思いは、色の変わった報告書を残したまま、私とウクライナの間を漂っているような気がする。そして、ウクライナ戦争は、まだ、続くのか。プーチンは、どうなるのか。「旧・統一教会」党に変質した日本の保守政治家たちは、今後も、汚れたドブ川に通じる排水溝の周辺でうごめいているように見える。
(この項「チェルノブイリの月」シリーズは、ここで、完としたい)。

★ ヨーロッパを徘徊する怪物

 プーチンは、怪物であるが、ここで触れるのは、10年前の「怪物」である。
しかし、私は、なぜか、プーチンを思い出した。

 ウクライナの首都・キエフ(現キーウ)には、原発事故を証言するチェルノブイリ博物館が市内にある。事故を再現する資料、犠牲になった人々(国家の命令で事故処理に借り出された退役軍人が多い。消防隊や原発労働者も事故処理に当たったので、やはり多勢が命を落としている。)の顔写真や衣服、持ち物などが展示されている。

 この博物館では、原発事故で発生した放射能雲の動きが、黒い塊で描き出されているアニメーションを絶えず映し出しているコーナーがあった。画面では、チェクノブイリから発生した黒い点が、忽ち不気味な「塊」となり、形を変化(へんげ)させながら、まず、北へ膨らみ、次いで、北東へ膨らみ、さらに北西へ膨らみしながら、さらに、西へ、南へ、北西へと、20世紀の世紀末のヨーロッパを徘徊する怪物のように動き回る様を再現している。黒い雲の形状も、頭から布を被った西洋の幽霊のようだったり、横向きの老婆になったり、ゾウのようになったり、後ろ姿の男性になったりしてみせる。まるで、ロールシャッハ・テストの図形のように変化(へんげ)する。

 影に覆われるのは、ウクライナ近辺の北欧各国ばかりではない。南欧のイタリアも、フランスも、海を越えたイギリスも、スカンジナビア半島も巻き込んでヨーロッパ各地に汚染を拡げていったことが判る。

 プーチンは、まさに、21世紀を覆う黒い影のような権力者。放射能の巨大な塊。世界を脅かす怪物から変化(へんげ)した魔物。

贅言;「チェルノブイリの月」(5)で、このタイトルの部分は、今回で一応完結。10年前のチェルノブイリ原発への旅。そして、その体験をまとめた報告書。ウクライナの平和と領土保全。国民の安寧な生活。ウクライナがプーチン以前の社会に戻ることを祈念している。それにしても、気にかかるのは、10年前にウクライナの各地で出会った人々が、今回の戦禍で苦しんでいやしないか、ということである。特に、子供たち。放射性物質に犯された身体は、戦禍を厭うだろう。穏やかな生活環境は、阻害されたのではないのか。あなたたちの人生をまた苦しめている。

 当時のキエフ(現キーウ)の郊外。私たち、日本ペンクラブの一行がバスで昔の「よろず屋」(今なら、コンビニか)のような店に立ち寄った際、見かけた光景である。店に隣接する駐車場で、仲間と語らっていた青年たち。一目で中古車と判るような古い型の自動車にたむろしていた青年の姿。駐車場の空き地で小型バイクを乗り回していた青年。

 彼らも、ウクライナの徴兵制に応えて、ロシアから祖国を守るために、銃を取って戦場に向かったのだろうか? 戦場で命を落としていないか。大怪我をして、己の人生に障害を残したりしていないか。

(ジャーナリスト(元NHK社会部記者))

★編集事務局で主な引用文は「青字」にしました。

(2022.9.20)
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