【沖縄・砂川・三里塚通信】

れいわ旋風が吹いた沖縄 比例票7.3%で与野党逆転

仲井 富


① 沖縄で比例区票 野党総計で51%超え与党は45%と逆転
② れいわ旋風が吹いた沖縄 山本太郎代表が語る辺野古問題と次期衆院選

◆沖縄参院選地方区 辺野古反対国政選挙9連勝と比例票与野党逆転

 沖縄県の参院選地方区選挙は、7月21日投開票され、野党の社民、立憲、共産、国民、れいわなどの野党が推す高良鉄美が298,813票で、次点の与党候補安里繁信234,928票を破って当選した。投票率は49%と前回より低下した。
 この結果、沖縄県の国政選挙では、参院選では2007年から辺野古反対の候補者が5回連続当選した。ただし2010年の参院選では自民党の島尻安以子が民主党政権が投げ捨てた辺野古県外海外移転の旗を掲げて当選した。しかし2013年に辺野古賛成の裏切り行為で、2016年参院選では沖縄国政選挙史上最大の10余万票差で惨敗した。
 総選挙でも2009年以降、2012年、2014年、2017年と4回とも民主党政権の裏切りを乗り越えて反対派が多数を占めてきた。参院選5回、衆院選4回の辺野古反対の民意は変わらない。

 今回の沖縄参議院地方区の最大の特徴は、与党系が比例区票では優位に立っていたが、今回は野党が比例区票で逆転した。以下に沖縄県の比例区得票数の変化を示した。公明党が中立的態度から、明確に辺野古賛成の立場に立ったのが、前回2016年の参院選だった。

 同年7月10日執行第24回参議院選挙 沖縄県比例区得票率は、自由民主党:160,169/27.82%、公明党:86,896/15.0%、おおさか維新の会:44,101/7.6%で、与党計50.57%だった。また野党は共産党:60.524/15.64%、社会民主党:69,821/12.13%、民進党:76,547/13.29%、生活の党:18,382/3.19%、国民怒りの声:3,931/0.68%などで、野党計44.93%だった。

 今年7月の第25回参院選では、自公維新の与党3党の比例区票は44.53%、野党5党の比例区票51.49%となり与野党逆転した。維新の前回比例区得票4万4千票が2万2千票と半減したことと、野党はれいわ新撰組が7%を超える得票をしたことが大きい。公明党は前回016年の参院選から辺野古賛成に変わったが、それ以降比例区票は減少傾向だ。野党はれいわ新撰組が7.3%の健闘が光った。

画像の説明
  沖縄県の比例代表・当派別得票数 県内の政党別得票率 琉球新報 2019・7・23

画像の説明
  参院院沖縄選挙区 投票率と得票数 沖縄タイムス 2019・7・23

◆れいわ旋風が吹いた沖縄 山本太郎代表が語る辺野古問題と次期衆院選の戦略 (インタビュー記事/8/15(木) 7:34配信 琉球新報・要旨)

 7月の参院選で山本太郎代表率いる「れいわ新選組」が2議席を獲得し、政党要件も満たした。都道府県別でみると沖縄でのれいわの比例得票率(7.28%)は東京(7.95%)に次いで全国2番目に高く、その旋風が沖縄県内でも巻き起こったことを裏付けた。(聞き手 當山幸都)

 ―沖縄の現状をどうみてきたか。

 「今の日本を知るのに一番分かりやすい形で存在している場所ではないか。米軍基地が集中し、それに対し沖縄県としての民意が示されても権力で踏みにじられる。沖縄以外に住む方々には、これが自分たちに向けられている乱暴狼藉(ろうぜき)だという共通認識がなかなか持てない状況がある」

 ―東京選挙区では沖縄の創価学会員を擁立した。

 「れいわ新選組を旗揚げした時点で沖縄の方に絶対入っていただきたいと考えていた。権力による暴力を受け続けている地域に生きる人にも出てきてほしいという思いからだった」

 ―沖縄でのれいわの比例得票率(約7.3%)が高かった。

 「なぜ東京で沖縄のことをと思われたかもしれないが、本気で取り組むメッセージは伝わったのではないか。その意味で沖縄でも支持をいただいたということもあると思う」

 ―今後、辺野古の問題にはどう取り組むか。

 「そもそもなぜ辺野古なのか、本当に海兵隊のための基地は必要なのかという重要な大前提が共有されないままだ。自分事として捉えられない人が多く、一番手の問題として旗を振ることは難しい。私たちが政権を取って新基地建設は当然中止であろうと交渉することを、日米同盟や日本の自主独立の問題まで考え、保守層を含め納得のいく進め方を提示する必要がある」

 ―れいわが巻き起こした現象は「ポピュリズム」(大衆迎合主義)と指摘されている。

 「全国の子どもの7人に1人、高齢者の5人に1人、1人暮らし女性の3人に1人が貧困とされ、生活を立て直すには国が大胆な投資をする以外ない。苦しんでいる状況を何とか打破したいということに対し、『あいつはポピュリストだ』と言われるなら『そうです、私がポピュリストでございます』と言っていきたい」

 (世論構造研究会代表・『オルタ広場』編集委員)

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