民主党は民心を掴め        田上 秀夫

───────────────────────────────────


●村山政権の轍を踏むな 


  自民党は参議院選挙での大敗を受け、民主党に「抱きつき作戦」を仕掛けている。政権を離すまいとする自民党はしたたかである。この仕掛けに引っかかれば村山政権の二の舞になる。民主党は自らの政策を磨き、組織の確立を急いで総選挙の構えを固めるべきだ。
  民主党が政権交代をめざして解散させても、それだけの候補者を立てられるか心もとないが、問題は少々国会議員を増やせても地方議員が全然少ない現状では足腰が弱く、浮き草の上にのっているようなものだ。地域に信頼されている人たちを引き寄せられなければ砂上の楼閣となる。むやみに県、市議から国会へ立候補させず地方議会の議員を増やすことも重要である。


●自民党を甘く見るな       



●チャンスに不祥事連発の民主党


  民主党は自民党の政治と金を追求する前に自らの襟を正せといいたい。また出てくるのではないかと心配していたら、参院選挙の快勝に酔う間もなく横峰議員の女性・賭博問題、姫井の男女関係金銭問題が出た。公僕たる者が身辺整理を怠り脇が甘く驕りがあるからだ。身内の不祥事でいつもチャンスを潰していることを厳しく反省すべきである。


●議員の既得権益にあぐらかくな


  昔は政治家になれば貧乏して井戸塀といわれたものだが、今は、高収入、安い高級宿舎、列車も飛行機も無料パス。税金のかからない通信交通費、委員会手当て、国内外の視察と称する手当等目に余るものが多い。私は海外旅行の際、これらについて聞いてみた。北欧では大臣でも自転車で通勤し、議員も同様で、バス、タクシーは自費負担、日本のような高額な歳費ではなく実費弁償と一般サラリーマン並み手当てである。公僕としてのボランティア精神を持っている議員たちばかりだから、高い消費税でも文句が言えないと市民が言っていた。
  アメリカ、イギリス、ドイツの人たちも日本の議員の超厚遇にあきれていた。そんな特別厚遇を受けるから議員になったら地方、国を問わずのぼせ上がってしまうのだ。民主党もなんら国会改革策を口にしない。時々河村たかしがTVで言っている程度だ。クリーンだと自称する公明党も似たりよったりである。


●選挙制度だけでなく政治改革を


  議員年金についても同じことで、議員定数も半減すべきだ。議員の定年は立候補七十歳まで、知事市町村長は三期までとすべきである。高級官僚の渡り歩きによる、二重三重の役職手当や退職金取りは法規制すべきである。高級官僚の議員や首長への転出も天下りの代替となっている。高級官僚からの転出立候補は退職後二年乃至三年間は認めないことだ。昨日まで役所にいた者が立候補してその首長になり、議員になるなんて一般国民には解せない。参議院についても独自性確立の改革が必要である。衆議院のカーボンコピーといわれる状態では無用論が出ても仕方がない。衆参の選挙制度も今のままでよいとは思わない。かつて政治改革、政治改革と言って大合唱していたが、政治改革ではなく単なる小選挙区制改定に矮小されただけだった。


●議員を先生と呼ぶのを禁止せよ


  安倍が国会で所信表明演説をしながら、代表質問の直前に突然辞職、敵前逃亡をした。国民と国会を愚弄し無責任極まりない。代議士を永久辞退すべきだ。こんな議員を許しておく与野党もなさけないが、もっと不思議なのは議員同士で「先生」という言葉を使うことだ。その心理が全くわからない。「先生」とは何なんだろう。政界から「先生」語の使用を禁止しろと言いたい。司法界では、法廷などで弁護士を先生と呼ぶことをやめた。裁判官が当事者には原告、被告と名前で呼ぶが、代理人の弁護士には「先生」と呼ぶのは片寄っているとの投書からこのようになった。良し悪しでなく国民の側の意見を取り入れた結果だ。保守的な司法界ですら、裁判員制度と共に改革が進んでいる。
  祖国日本に明日はあるのか!老人のつぶやきは止まらない。

                  (筆者は岡山市在住 七十六歳)

                                                        目次へ