俳句                  富田昌宏

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   春立つや壁の野良着のかがみぐせ

   初蝶の越ゆる一つに鍬の音

   春暁にまみれてあがる畑仕事

   春風邪を妻に貰いし凡夫かな

   紫雲英田の尻から入れて耕転機

   菜の花や繰り返し読むサザエさん

   たんぽぽや木椅子一つの停留所

   書架に古る鉱山哀史春寒く