■俳句                      富田 昌宏

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   下萌や終生解けぬ農の枷

   田水張る生涯農衣捨て切れず

   税申告野焼きの匂いまとひつつ

   耕人に刻キとどめなく流れゆく

   下萌や団塊世代停年期

   開帳の秘仏のごとくたらの芽吹く

   モナリザの微笑薄墨桜かな

   郵便夫声かけて過ぐ初桜

   つばくらや客の戻らぬ商店街

   ドレミフアのフアより咲き出すスイトピー

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