【沖縄の地鳴り】

日米同盟よりも多国間協力システムを ―「東アジア共同体」は合意されている

<沖縄の誇りと自立を愛する皆さまへ:第26号 2015年9月号>
                 辺野古・大浦湾から 国際法市民研究会

 日中韓の三ヵ国首脳を含む2012年「ASEAN+3 協力15周年記念」共同声明、
同じく2014年第17回ASEAN+3 サミット議長声明は、「東アジア共同体実現
という長期目標(外務省仮訳)」を繰返し確認。国際緊張に日米の軍事力一体化
で臨む立場は、この目標にとって有害無益ではないか。

 日本政府は、平和創出のための多国間協力システムの活発化を認め、活用せ
よ。日本・中国・北朝鮮が参加するアジアのシステムを時系列でみると、☆を除
きすべてが稼働中。「脅威」があるというなら、これらの場を通じて緩和し、
安倍のいう「想定外」「万が一」の事態を未然に防止することができる。

 私たちは「2015年安保・沖縄闘争」の持続的発展をめざす。

★東南アジア友好協力条約(TAC、1976~):ASEAN(10ヵ国)のほか、日米中露韓朝をはじめ、印パ豪、ニュージーランド、モンゴル、フランス、東チモール、バングラディシュ、スリランカ、ブラジルなど計28ヵ国とEU。ASEAN主導。

★アジア相互協力・信頼醸成措置会議(CICA、1993~):中露印韓、イスラエル、パレスチナなど26ヵ国。日米豪など7ヵ国はオブザーバー。カザフスタンと国連の尽力で設立。

★ASEAN地域フォーラム(ARF、1994~):ASEANのほか日米中露韓朝をはじめ、印パ豪、カナダ、ニュージーランド、モンゴル、東チモールなど計26ヵ国とEU。「信頼醸成 ⇒ 予防外交 ⇒ 紛争解決」の三段階を進む方針(95年第2回会議の「コンセプト・ペーパー」)。ASEAN主導。

★上海協力機構(SCO、1996~):中露印パ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの8ヵ国。オブザーバーとして、モンゴル、イラン、アフガニスタンなど。対話パートナーとして、スリランカ、トルコ、カンボディア、ネパールなど。これらの中には加盟申請中の国が多い。中露主導。

★ASEAN+3首脳会議(1997~):ASEANと日中韓。このシステムは、「長期的目標としての東アジア共同体を実現する主要な手段」として毎年確認されている(ASEAN Plus Three cooperation as the main vehicle in achieving a long-term goal of realizing an East Asia community)。ASEAN主導。

☆北朝鮮の核をめぐる6ヵ国協議(第1回2003~第6回2007。以後、休止状態):日米中露韓朝の6ヵ国。アメリカ主導。

★東アジア首脳会議(EAS、2005~):ASEANのほか、日中韓米露をはじめ、印豪ニュージーランドの18ヵ国。ASEAN主導。

 (文責:河野道夫、読谷村)


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