【俳句】                   富田 昌宏

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  不器用に生きて喜寿たり今朝の春

  鉈と鋸酒に浄めて山始め

  雑煮椀焼きたる餅の焦げ具合

  初釜や喜寿を迎えし干支茶碗

  狛犬に御神酒振舞う年始め

  初夢の中にも野良着着ていたり

  禿げもまた生きざまのうち初鏡

  足るを知る暮らしの松を飾りけり

  狙は妻の打楽器薺打つ  

  達磨の目開く束の間どんどの火