【沖縄の地鳴り】

今も占領続いていると反対派
〜ワシントン・ポスト紙が辺野古取材


【平安名純代・沖縄タイムス 米国特約記者】米主要紙ワシントン・ポストは2月8日、名護市辺野古の新基地建設に抵抗する沖縄の住民に視点を当てた記事を掲載した。1面下段での目玉記事を紹介する「ニュース」のセクションで紹介。「ワールド」面で3分の2以上のスペースを割くなど目立つ扱いをしている。

 記事は、同紙のアン・フィフィールド東京支局長が米軍キャンプ・シュワブのゲート前で抗議活動を展開する山城博治氏を軸に執筆。「日本では戦後、米国による占領は1952年に終わったが、沖縄では今も続いている」とし「論争となっている米軍普天間飛行場は(米ワシントン郊外にある)レーガン国際空港の約2倍の大きさで、ロサンゼルスとほぼ同じ大きさの島の中で土地価格が上昇傾向にある開発地区に位置している」と米市民に理解しやすい例えで説明。その上で「沖縄県民は、日本の1%の領土に米軍基地の73%があり、日米安全保障同盟の過剰負担を背負わされていると主張する。米軍は沖縄にある専用施設はわずか39%だと異議を唱えている」と伝えた。

 新基地建設計画をめぐり県と政府が法廷闘争に突入。宜野湾市長選挙では安倍晋三首相が支援した佐喜真淳氏が勝利したが「普天間閉鎖は訴えたが辺野古に関する立場を明確にすることを避けた」と指摘した。

 日米両政府が工事への強硬姿勢を維持する中、キャンプ・シュワブ前での抗議が続く理由として山城氏の「抗議に来る人々のほとんどは、この地域で再び戦争が起きた場合に巻き込まれることを懸念している」との見解を紹介。ヘルメットをかぶった米兵らを乗せた巨大な軍用車両が住宅街などを移動する様子を目にした記者は「戦争の影は実際に沖縄の日常を覆っている」と同調。山城氏の「東京の政府はわれわれに諦めさせようとしているが、われわれは70年も振り回され続けてきた。これ以上は我慢しない」との言葉で締めくくっている。

 同記事は電子版では7日に記者が撮影した映像なども併せて掲載。8日はキャンプ・シュワブのゲート前で抗議する島袋文子さんや安次富浩さん、浦島悦子さんら10人の声を紹介した。


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