ネットで知る最近少し気になるあれこれ 2019 12-1 2020       

駒沢仁也?

1月8日のレバノンにおける英・仏・ポルトガル・アラブ語での国際会見(参加者は主催者側で選末のGhosn氏の日本国脱出事件と1月8日のレバノンにおける英・仏・ポルトガル・アラブ語での国際会見(参加者は主催者側で選んだため記者会見とは称しなかった)のLiveは衝撃的であったが、ゴーン氏の主任弁護士の一人である高野隆弁護士が「刑事裁判を考える:高野隆@ブログ」http://blog.livedoor.jp/plltakano/archives/65953670.htmlにて
01月04日に発表した「彼が見たもの」は、国際的にも大きな反響を呼んだ苦渋の滲んだ告白的報告であった。
01月11日 高野弁護士は続けて、日本司法当局の「法に則り人権も尊重され、尋問時間も4時間だ」との公式虚偽発表に対し01月11日には「取調べ時間(まとめ)」を「ゴーンさんに対する検察官の取調べ時間をまとめてみました。2018年11月19日から2019年1月11までは、検察官から開示された取調べ状況報告書によります。なお、取調べ時間はその日の開始から終了までの時間であり、休憩時間も含みます。ゴーン氏は、70日間、連日週末も休みなしに、サンクスギビングもクリスマスも年末年始も、弁護人の立ち会いもなしに、平均7時間の取調べを受けていたのです」と始め、全期間の取調べ時間を公表した(下記はサンプルのみ):
日付   曜日 開始時刻 終了時刻 取調べ時間
2018/11/19 Mon   17:13 19:29   2:16
2018/11/20 Tue  12:39  20:42   8:03
2018/11/21 Wed  19:18  21:31   2:13
2018/12/6 Thu   10:20  22:03  11:43
2018/12/7 Fri   13:05  21:48  8:43
2018/12/19 Wed  13:23  20:57  7:34
2018/12/20 Thu   10:00  22:18  12:18
この「取調べ時間表」も国際的に援用され、日本法務省発表資料への疑いが強まった
1月16日付け
高野隆弁護士は、弘中惇一郎弁護士と共にGhosn弁護団を辞任(1月16日付け)したが、今日1月20日付けで最も強力なメッセージを英文で発表した。
弘中惇一郎弁護士(左)と高野隆弁護士(写真ネットから)
1月20日付け
Hostage Justice System in Japan: How it works, and Why?
This is a paper I wrote for Asian Law and Society Association's Annual Meeting
Takashi Takano, a member of Carlos Ghosn’s Defense Team
これは、大阪大学で開かれたALSA 2019 4th Annual Conferenceでの発表だったとのこと。
1月20日発表の高野論文は、日本の人質司法の実態とその意味するところを英文で説明したもので、人権擁護の立場から国際的にも理解される大変立派な仕事で、Ghosn事件が例外でなく、日本の司法制度そのものの含む癌であることを証明していて、今後の一義的にはレバノンでの司法判断、ついでフランス等関連国での司法判断にも大きな影響を与えるものと思う。日本語にもなると思われるので、必読である(英文で読むと外国人の受け入れ方も理解できるので、英・日両方で読まれるのが望ましい)。

1月15日(日本時間 ニューヨークにて)
「司法制度でなく、自白制度だ」ヒューマン・ライツ・ウオッチ
「It's not justice system, its confession system」

Kenneth Roth, Executive Director明言(1月14日国連ニュ-ヨ-ク)

動画下記:World Report 2020: Live from the UN(Youtube 1:01:01から朝日記者質問
https://www.youtube.com/watch?v=EhTUiIey00A

Kenneth Roth, Executive Director刊行記念記者会見にて。
国連では国連拷問委員会審査(ジュネーブ)で、モーリシャスの委員から「日本は自白に頼り過ぎでは。中世の名残りだ。日本の刑事手続きを国際水準に合わせる必要がある」との発言に、上田秀明人権大使(在2008~2013)が「Shut up!」と叫んで有名になった事件も忘れられていない。

Ghosnと日本司法(自白制度?)の今後を考えると、指標になる2つの出来事が予定されている。1)レバノン司法当局が、インターポールのRed Noticeの根拠となるファイを文書にて40日以内に送付するように日本法務省に要求している。1月10日から40日は2月20日前後となる。ここで、ファイルが期日に間に合ったとしても、国際的な説得力ある「犯罪の証明」が日本側はできるのかどうか非常に興味深い。果たして日本の司法当局は、自白なしに「犯罪」を証明できるのか? できない可能性が強いと思うが、その場合はレバノン側が(Ghosn氏の強力国際弁護団も得て)罪の不存在を証明するのではないかと期待したい(日本人としては恥ずかしい事態だが)。
 2)Ghosn氏が国際会見で「弁護士チームが数週間以内に全ての資料を公開する」と明言したことも、2月には実現すると思われる。
 日本の”独自の司法思考”では、国際的な検証に耐えないのではないかと思うが、司法当局がどのように対応して行くのか非常に興味深い。日産を救済したGhosn氏が、日本司法に辱めを受けたが逆転し、結果として日本司法の国際化に貢献してくれるものと期待したい。

January 16, 2020 Senate Impeachment Trial, Day 1
米国ではトランプ大統領の上院でのImpeachmentプロセスが始まるが、 これは新しく2019年8月頃から始まった”ウクライナ介入事件”であり、2016年7月から続いていた❝ロシアゲート事件”とはなんの関係もないということを忘れない必要がある。「トランプはロシア・ウクライナと結託している」との印象操作がなされているが、すでに❝ロシアゲート❞は、ヒラリー・オバマ民主党を擁護するFBIらの司法機関とメディア側の約三年間続いた大キャンペンだったが、トランプ側の完全勝利に終わっていることを忘れてはならない。

 ロシアゲート事件の唯一つの証拠はDossie

モラー特別捜査官チーム(FBI捜査官40人体制)と司法省ホロビッツInspector Generalによる捜査が終わり、表面的にはロシアゲート事件も終わったようであるが、ダーラム捜査官は精力的に動いており、FBIコミー元長官も尋問されたとの話も出てきている。
1月12日付けワシントン・タイムズは、 ロシアゲートは、どのように終了したかの纏めを紹介している。結論は、トランプ選対の三名とM.Flynnの四名に対する嫌疑は、英国の元スパイが民主党クリントン選対から165000ドルもらって書き上げたDossieのみが証拠だったということである。ロシア側の何人かが起訴されているが、拘束されたわけでもない。マナフォートは獄中にあるが、ウクライナ旧政権のヤヌコビッチ一派からのロビー活動費用を数百万ドルせしめていたことが罪状で、これはトランプ選挙とは無関係である。また、Flynn国家安全報奨問題担当大統領補佐官を大統領就任式から20日足らずの2月13日に辞任したが、当初のロシア関係筋と密会していたことをFBI捜査官に対し偽証したとの嫌疑は、新しい弁護士チームが「捜査官が証言を改ざん」した証人を準備するなど2020年1月28日予定の公判は延期される。(トルコへのロビーイングでの金銭授受は認めたものの、ロシア関係は無罪を主張する)。他の二名も、FISA裁判所が、Dossieに沿って電子的盗聴を許可したが「全く何も見つからず」、無罪放免になったPageともう一人も「捜査官への偽証罪」で、1週間収監されただけの微罪だった。
 この四人の容疑者を疑った根拠はDossieだけで他になんの証拠もなく、捜査も空振りだったことが明らかである。IG捜査により、モラー特別捜査官チームはすでに2018年夏には「トランプ選対関係のロシアとの共謀」は立件不可能との結論を得ていたが、2019年まで引き伸ばしを図ったということがIGにより解明されている。

1月17日記 年末から風邪をこじらせて寝込んでしまい、書けなかったことが沢山あったが、2月にはまた色々興味深い事が起こりそうなので、注目してゆきたい(K)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最新号トップ掲載号トップ直前のページへ戻るページのトップバックナンバー執筆者一覧