【オルタのこだま】

オルタ134号を読んで

豊間根 龍兒


 毎号のことですが、勉強させていただきました。有難うございました。

○戦後70年の今: 私にとってはなかなか難しかった。日本人が戦争体験を通じて憲法9条を選んだというのは確かなことだと思うし、「戦争は偶然的な契機で起こることが少なくない。」とあったが、今の状態で尖閣諸島などで相互の船が接触すれば、引くに引けず、戦が始まると思う。危ういことだ。

○西欧世界の限界: これも私にとっては難しい。誤解を恐れずに言うと、欧州社会モデルをアジアにも、ということであろうか。その中で戦後日本社会が達成した資産と遺産を生かしつつアジアにおける役割を見出し、それを果たせということと読みとった。でも、西欧世界の限界と言っている。これはイスラムやウクライナのことを言っているのであろうか。若者よ、世界をしっかり見ろ、というのには賛成します。イスラムの勧誘に引っかからないように!

○民主主義の土台が: 本当に民意と議席数のかい離を憂う。選挙制度調査会に期待したい。死に票問題はあまり気にはしていなかった。ここに上がった投票率低下などの問題も選挙制度調査会で検討されるのでしょう。利害が絡む議員に任せていたのではとても纏まらない。

○自民党支配: 関曠野氏のモデル、示唆に富む。周りの国々との関係をうまく利用して泳いできたとは驚きでもあり、恐ろしい気がする。それだけに民主主義の何たるかを知らずして「経済成長」のスローガンに国民は踊らされてきたわけだ。民主主義の脆弱さに気付き始めたら今度は「有事」を強調し始めた。昔の「よらしむべし、知らしむべからず」を思い出した。

○戦後政治と: ビジョンと言われると、何か難しいことをずらずら書いたものを思い起こし腰が引けてしまうが、江田ビジョンは「アメリカの生活水準・・」と分かりやすく民衆に訴えかけるインパクトがある。同じく鳩山の「沖縄からアメリカ基地は出て行ってもらう。」というのも、実現せず残念であったが大うけであった。「憲法完全実施」かぁ、やっぱり、「戦争はしない」「餓死させない」のように、もう少し具体的に言ってほしいな。

○侃々諤々:
(1)憲法9条:憲法9条は誰が発案したのかを探ると、保守派の人たちも含めみんな戦争放棄を考えていたことにたどり着いたという。変われば変わったものである。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」の典型だ。中谷英世については、やくざの啖呵を思わせ、国民の眼には君子豹変に写ったろうな。
(2)戦争遺留問題:ここに民主党議員による取り組みとあるが、個別にやっていいものかどうかよく分からない。西松建設のように判決が下ったものであれば個別にやってもいいと思うが、野党の立場で方々に行って個別に謝罪して責任取れるのだろうか。やはり、日本として何らかの補償の線を打ち出し、それに沿って処理して行かなくては、更なる問題を起こすのではないかと思う。平頂山事件が個別事案の解決のヒントとなるものだと言われるのなら、これをモデルとして両国で審議し、補償基準、査定システムを構築して欲しい。
(3)教育改革:複線型の教育コースにすることに大いに賛成。資格取得に直結させたり、適性が探れるような多くの体験機会や必要人材ニーズに対応するような柔軟性を教科に持たせたい。

○よりましな国連: 現行のMDGがうまく行っていれば、また、アナン氏にやってもらったらいいと思う。二度目なら、更にいい知恵を出してもらえるかもしれない。兎も角、膨大な要求の山に埋没されてはどうしようもない。整理できそうもないなら、次善策で、コペンハーゲン案で進めたらいい。言われるような日本の状態なら理事国入りを主張する資格はない。

○イスラムテロ後の: 『「私も一緒に行きましょう。」こそが社会の安寧と安定の道』 まさにその通りだと思います。「私はシャルリー」で各国首脳が腕を組んで歩くなら、「われら自由・平等・博愛で行きましょう。」でも腕を組んで歩いてほしい。

○「研究」「活字」: 太田亮とか中山泰昌とかいうすごい方が居られたのか。まさに驚き。安易に流れる昨今に一石投じるためにも、この方たちの偉業を偲べるコーナーをせめて大学や役所の一角にでも作って欲しい。

○中国短信: 言われていることもっともだと思いつつ読み進む。日本の別荘を買おうとしている中国人が居るのか。春節の爆買いの先を行っているなあ。さらに読み進むと、「むしろ自らの手で少しでも早くバブルを崩壊させてしまえ」と言っている。ヒャー、素人の私には、どうなることやらわからない。世界大恐慌になるのではないの。ならば、その前にちょっと私に耳打ちして欲しいな。

○経済格差という毒: 日本が世界有数の健康国であるのは、「互いを信じ、集団に献身し、忠誠的社会」だからだという。驚くとともに先行き不安に思う。15歳の少年が60歳までに死ぬ確率というのも面白い。東欧が高く西欧が低い原因は自立性の低さ、社会的サポートに欠如という。これを「毒」と言い切っている。日本にも何やら湧いてきそうで不安。

○日中不理解: なるほど、しっかりしたコーチ、見習わなくてはいけないなあ。この後、このコーチ、同僚に苛められていなければいいですね。その前に、訓練の場所選びがおかしい。それに体が吸い込まれはしないかと排水口の構造も心配になる。

○大原雄の: 石橋湛山はすごい人だ。が、彼の言うように小日本主義を取っていたらどうなっていただろうか。もしかしたら、本当に日本小国・アジアのスイスになっていたかもしれないし、アジア連合になっていたかもしれない。何処かの属国になっていたかもしれない。しかし、間違いなく、私の親父は次男坊だから食うに困って私は生まれていなかっただろうな。

○韓国のお正月: 「2月19日、さて何の日?」なんて言う日本人は、最近、居ませんよ。爆買い期待して日本中大騒ぎですよ。日本の風習の多くは韓国から入ってきたと思うから似ているのは当然と思う。「とっくっく」は「年を食う餅」長寿を意味するとは面白い。日本でも餅にそのような意味持たせているのだろうか。知らなかった。我が家の雑煮のダシは鶏がら、韓国風なのかな。日本と大きく違うのは、正月に墓参りすることだろうな。日本では神社に初詣をする。

○そんなに似ている?: 似ているということは、イスラムに大手を振って無事に入れるということ? お勧めはしませんよ。今回、ウクライナで曲がりなりにも停戦が出来たことを手本にして、「イスラム国」にも占領地を認め、緩衝地帯を作り、同じテーブルに付くことを目指したらどうだろう。宗教だ民族だと言っても所詮は土地の争いだと思う。狭い地球だからお互い譲り合って居場所を作り、兎も角、人殺しが続くのは止めて欲しい。

○翁長県政の行方: 前から言っているように、辺野古移転をごり押ししても良いことないと思う。本土への分散移転の道を探って欲しい。何処か名乗り出てくれる地域はないだろうか。さらに国外移転の声を共同してあげて行きたい。

○死の真実: 「じっさいに死はつねに他人にしか起こらないし、死は救済でもあることには間違いはない」とは重い言葉。

○フランス便り: フランスの抱える深刻な問題を詳しく教えて頂いた。これからの日本も同じ問題を抱えることになるだろう。十分に心して対応を考えて行かなくてはならない。手始めにオリンピックをいい教材にしたい。

○ミャンマー通信: 識字率の数値は出ていないのでしょうね。学生運動を抑えるために、インターネットの接続を操作しているというのは恐ろしい。でも、4者協議の一角に学生代表が入っているとはすごいことだ。日本の投票に行かない若者に爪の垢でも飲ましてやりたい。

○フィリッピン: いい詩だ。目に浮かぶ。そんなにフィリッピンは変わりましたか。いろいろ天災に見舞われて心配していましたが・・。やはり、トップが変わると変わるんだなあ。1億国民の平均年齢が23歳とは驚き。遠からずして追い越されるな。

○アメリカ報告: 人は何でここまで過激になれるのだろう。頭にかっと血が上るまでに手を尽くしたい。仕組みの改善も大切だが、日常のサポートも大切だ。キリストだって「汝の敵を愛せ」と言っている。

○追悼碑訴訟: 事務局長の意見陳述は立派だ。どのような判決が出るか楽しみだ。何とか、中国と和解しようとしている時に、少しでもマイナスになることは避けたい。

○読者日記:
(1)フランステロ:日本のマスコミが「言論の自由」一色とは読み取れなかった。後日出てきた報道と一緒にしたかもしれない。安倍政権の「日本改造」に寄与したことは確かのように思う。一頃、何処を開いてもイスラムだった。
(2)安倍首相の示唆:裏でそんなことが行われていたのか。すごいことだ。「国会に証人喚問される」ということは、そんなに大変なこととは思わなかった。TVの中継見ていても、証人への質問など隔靴掻痒の感を持って聞いていた。本人にとっては大変なことなんだ。
(3)犯罪は魅力的:期せずして、この後、川崎の河原での殺人事件が起きている。どうなっているのだろう。目下のところ何も言っていないが、今回の殺し方は「イスラム国」のまねをしたのではないかと思っている。指摘されているように育てられ方が多分に影響しているように思う。家庭崩壊も進んでいるから家庭へのサポートが要る。

○トイレ考: 切実な問題。有難うございました。旅行に行けば早速ぶつかる問題です。男1対女3、その通りですね。外国に較べれば日本は格段にいいと思いますが、オリンピックまでに、さらに快適にして行きたいですね。

○インド・ブータン: もうとても、ダージリンまでは行けないからお土産買う心配はないが、もらった時の参考になる。ブータンでも「ドラえもん」とは驚き。おみやげ品は日本でも結構手に入るのだ。それにしても、いろいろなお土産を売っているな。ひやかしてみたい。

○川柳・私に最もしっくりきた句: コミュニティ 言う人多いが 中身薄

 (筆者は稲城市在住・元団体役員)


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