【コラム】
あなたの近くの外国人(裏話)(25)

インド人街と東京ベイ・インターナショナルスクール(2)

坪野 和子


 令和…コンピュータは、すでに一発変換する時代になりました。さらにパキスタンとカタカナで打つと英語で Pakistan と予想変換されます。平成になったころは、平成と打つのに、変換が慣れてくれるまでバラバラに一つずつ打っていました。厚生労働省・文部科学省と名前が変わったときもそうだったと記憶しています。そして、世界中から毎日外国人とテレビ電話したり、外国人と日本語で会話をしています。ですが、日本人のほとんどがまだまだ英語を話すことを怖がりますし、シリアで内戦が続いていることに気づいていません。

 4月から外国人労働者の受け入れの法律が変わりましたが、実は一部の国からしか事実上は緩和されていません。この閉ざされた国で共生することを決意した人たち…そして、日本に行けば大金が手に入ると騙された人たち、母国にいるよりはマシと思って戻って来た人たち。韓国や中東よりマシと消去法で日本を選んだ人たち、申し訳ない…敷居は低くなっていません。なったのは経済協定している国の人たちです。残念ながら、期限で帰るか日本人と結婚するか…実は移民容認ではなく、まわりまわって人口減少対策ではないかとみています。納税者を増やすための…。日本ずるいな…悲しいな。

 でも、江戸川区ではインド出身のヨギさんが区議会議員になるし、東京ベイ・インターナショナルスクールが開校したし、日本在住の外国人から世界に発信する在り方をさりげなく提示してくださっています。私は東京ベイ・インターナショナルスクールに関わって希望が見えてきました。

◆ 1.東京ベイ・インターナショナルスクール初日

 4月3日に開校しました。よくわからないのですが、大安吉日にこだわった開校日なんだそうです。日本のような開校式や入学式といったセレモニーは行わず、すぐに教室に入るようにしたそうです。保護者の送り迎えで、もう保護者同士で立ち話をはじめていました。すでに知り合いなのか、初めて会ったのかよくわかりませんでしたが、お父様・お母さま、ものすごく親しそうにされていました。ご夫婦そろっていらしていたご家庭が多くみられました。

 姉妹で離れたくない子や教室・席がわからない子をヤスミーン校長が肩を抱くように、または手をつないで席に誘導してあげていました。実はこれ、現在の日本の公立学校では「何かあったとき問題になるから生徒の身体に触れないよう」と指導する上司がいたりするのですが、校長自ら家族のようなタッチングを見て和みました。

 各教室で学習活動がはじまりました。幼稚園のほうは、ホワイトボードにタイムスケジュールをイラスト入りで書きだしてあり、子どもが集中できる短い時間で遊びと学びを緩やかに過ごせるような時程でした。
 小学校のほうは、5年生は男子クラスになってしまっているようで、最初の授業は自由に討論できる会議室のような机の配置をし、授業ごとに並び替えていました。
 1年生はお二人の先生でチームティーチングを行っていました。2年生はこの日は女子クラスだったと思いました。この日は学校の施設に慣れるように時間割を組まれていました。日本の公立学校でも「生活科」で学校探検がありますが、スタンプラリーのようなものが多いので少し違う感じがしました。

 また全校で「お弁当」の時間とは別に「おやつタイム」がありました。「お弁当」を見るとヴェジタリアンの家庭が多く、幼稚園で日本人の子どもの「デコ弁」に驚くシーンなど、ご飯でもインターナショナルスクールだと感じました。

◆ 2.東京ベイ・インターナショナルスクール~私の友人たちの反応~

 前回も書きましたが、「インターナショナルスクールなのに安い!」
 そして「ケンブリッジアッセンブリー認証」「幼稚園、モンテッソーリ教育とインテグレーテッド・ラーニング併用」。

 これを知った女性の友人は「孫たちを入れたい」と言いました。
 これを知った友人が「親戚の子どもを留学生として日本に来させたい!自宅のホームステイさせて。調べてみて」…はい調べました。この学校は現在各種学校申請中なので東京都の各種学校登録が終わるまでまだそれはできないようですが、いずれ登録が完了したらそれも可能であるとの入管から伺いました。外国から日本のインターナショナルスクールに子どもを留学させる時代が来たのねとわくわくしました。

 バングラデシュで自ら図書館を創設し、図書館・図書室の啓蒙活動をされている友人は、この学校の図書室を見て「子どもが自然な形で友達と本を読む習慣を作る時間を持つことは必要なことだ、素晴らしい!!」
 また、私のパキスタンで日本の会社に勤めているサラリーマン(通訳)の友人は、自分の国で、カラチで、この学校のブランチを作りたい。システムもカリキュラムもすべてこの学校のやりかたに従って進めたい。相談してほしい。きちんとした子どもの教育をさせるのが夢だったから。
 彼は日本政府の日本人学校で通訳をしていたことがあり、日本の教育とパキスタンの教育の差に愕然となってしまった経験から最初は日本式の教育でと考えていたそうです。ですが、このインターナショナルスクールのスタイルがとても気に入ったようです。

 私は感じました。日本に住む外国人によって、もしかすると日本の閉鎖的な性質を変えていってもらえるかもしれません。もしかすると、一見平等に学ぶ機会があると思える日本の教育の見直しのための一助になるかもしれません。

 次回はスリランカ人たちのお話し。

●東京ベイ・インターナショナルスクール Face Book ページ
 Tokyo Bay International School, Japan
  https://www.facebook.com/tbisjapan/?__xts

 (高校時間講師)

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