【編集事務局便り】181

新年のお喜び申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2019年はベルリンの壁崩壊から30年となり、日本では「平成」も終わり、技術変革は想像以上に早く、新しい世界の様々な形で覇権争いは激しくなってきています。日本はどのような舵取り、選択をしていったらよいのか、舵取りが難しいというだけだなく、世界のとらえ方と自らの立ち位置を見直しする時期にきているのかもしれません。

◆本年は冒頭に、久保孝雄さんから、2017,18年に続き「見えてきた「アメリカ後」の世界」第3回目で、今動きつつある米国と中国の関係について、ご寄稿いただきました。目まぐるしく動く世界情勢の中、多方面からの情報、分析をありがとうございます。

◆昨年1月から連載いただきました羽原清雅さんからの「戦争というもの」も今回完結いたしました。昭和30年代半ば生まれで、「戦争」については、学校で学ぶ機会も少なく、その後は日々の生活に追われるばかりでした。羽原さんの連載から、多くのことを学びました。重ねて感謝申し上げます。

◆年末に立川市砂川町「砂川平和ひろば」福島さんから、「砂川平和ひろば」補修工事経過報告と、その砂川で作られた「砂川地粉うどん」を送っていただきました。「砂川闘争」という言葉は知っていても、その背景など詳しくは知りませんでした。JR立川駅の今の発展の陰に、砂川での闘争があったと知り、資料にあった「砂川中央地区まちづくり構想案」と「地粉うどん」の紹介文を掲載させていただきました。https://www.facebook.com/砂川平和ひろば-1484143171889397/

◆昨年春以来、15年続けてきた「メールマガジン・オルタ」を止めるわけにはいかないと続けてきました。皆様のご信頼と毎月いただくご投稿のおかげと感謝申し上げます。
最近は、発行のスケジュールにも少しなれてきました。世界が変動の時期、何かをつなぎ、伝え続けることに意義を感じるようになりました。
「興味のつきない、面白い」宿題を残していってくれたものだ、と思う一方その「宿題」が本当の意味でなにがテーマだったのか、はっきりわからず手探りしている状況です。少しずつの歩みですが、形も整えて進めてまいりたいと存じます。

懸案でした編集委員の皆様とのメーリングリストも準備ができつつあります。設定が終わりましたら、ご連絡させていただきますので、ご協力いただければ幸いです。

◆年明けすぐ、編集事務局の方々と二月以降の巻頭原稿について打ち合わせをいたしました。以下のように計画しております。皆様からは随時、ご投稿を受け付けております。
2月 ~3月 トランプ外交とどう向き合うか(場合によっては3月号)
3月 沖縄県民投票
4月 入管法
5月 統一地方選挙・衆院補選の総括

また別途「テーマ」設定をして、同一テーマでコーナーとして皆様からの継続したご投稿をいただける形もできないかと考えています。

◆梅の花が咲き始めるには、もう少し時間がかかるでしょうか。陽だまりを探して散歩をするこの季節は、春を迎える希望と一緒に歩いているようです。今しばらく寒さが続きますので、どうぞくれぐれも油断なく、お身体お大事にお過ごしください。(M.K)


◆早いもので、20日にはトランプ大統領就任から三年目に入るが、米英マスメデアの「ロシアの選挙介在」問題による大統領糾弾キャンペーンは飽きることなく続いている。Deep Stateにとって、トランプがいかに不都合な大統領であるかが分かる。シリア・アフガンからの撤兵についてトランプは、最近よく「ソ連はアフガンに介入し(国は破れ)ロシアになったのだ!」との認識を語っている。サンダース上院議員を含むオバマなど民主党議員が、マケイン上院議員の葬儀に際し、「平和を一貫して追求した」「平和の闘士」と称えたのにも加わらなかったトランプは、やはり巨大体制の異分子なのだろう。この1-2月には大統領候補が出そろい、また選挙戦が始まるが、注目してゆきたい。

♦久保孝雄さんには、当初より年始にあったっての巻頭論文を書いていただいているが、トランプ大統領就任の年には「大転換の時代—せめぎあう新・旧の世界秩序—」を寄稿していただき、「一世紀近く続いてきた「パックスアメリカーナ」は終焉への動きを速め、グローバルパワーとしての中国の登場、「アジアの世紀」の幕開けが現実味を持ち始めてきた」。
「アメリカの衰退」とはグローバルリーダーとしての力の衰退であり、政治的、外交的、道義的影響力の低下」と指摘されたが、一方、「このような大転換は直線的に、また短期間に進むものではない。恐らくなお複数のディケードで考えなければならない変化だ」とも付け加えたうえで、2017年1月の 「見えてきた「アメリカ後」の世界―「過去の国」になっていく「安倍・日本」ー 、2018年 「見えてきた「アメリカ後」の世界②そして2019年今号の「見えてきた「アメリカ後」の世界(3)-トランプ「革命」と習近平「構造改革」が開く新世界ー に続いた。 是非、2016年からの久保論文を通して読まれることをお勧めしたい。また今回の論文のタイトルに「革命」と「構造改革」に「」が付いているのが見極められるまで、今後とも、「複数のデケードを要しても」世界及び日本についての洞察を寄せていただきたい。

◆大原雄さんが「韓国映画「共犯者たち」は、 〜ふたりの大統領の犯罪〜」のドキュメンタリー映画の背景を、ドクメンタリータッチでいろいろな資料も引用しながら 紐解く形で、臨場感があふれる形でご寄稿いただいた。ぜひ一読され、映画も鑑賞されれば、二度共感できる。それにしても、日本の放送界、新聞の惨状は、 『キレギ』であふれて、目を覆うばかりである。大原氏は、二人の大統領の犯罪とは、 「マスメディアをゴミ同然(国民の知る権利にとって、役立たずの機関)にしてしまったこと」と断じている。安倍政権だけでなく、政権交代のない日本は、「共犯者たち」であふれている。

映画「共犯たち」東京上映:映画館ポレポレ東中野2月1日まで
監督 崔承浩(1961生)は 2017年9月MBC労働組合の長期ストライキ闘争終結後、同年12月MBC社長に選任さる。

公式サイト http://www.kyohanspy.com/
予告 https://www.youtube.com/watch?v=u4VoI4KT1vI
 
韓国映画「共犯者たち」は、 〜ふたりの大統領の犯罪〜
◆二人の大統領:李明博(イ・ミョンバク、17代)・朴槿恵(パク・クネ、18代)任期08年2月から16年12月まで)が 主役で、 テレビ局 (「文化放送」公益財団放送文化振興会が大株主の準公営の放送局。KBS(「韓国放送公社」) の報道現場に国家が介入し、番組を潰し、キャスターを降板させ、プロデューサーやディレクターなどの番組スタッフを懲戒・解雇して、国民の知る権利に担保された言論・報道の自由、特に、放送の自由が奪われた。 だが、この映画では、主役(主犯)は、脇に回り、脇役(共犯)がクローズアップされる。共犯とは、国家権力が送り込んできた「落下傘」(天下り)社長たち。テレビ局内の政治部の記者やディレクター経験のある報道局育ちの中から、いち早く、空気を読んで国家権力にすり寄って行った「生え抜き」の社長たち、あるいは、社長予備軍の上昇志向の強い幹部連中のことである。
 権力に媚びたTV局は、公共性を失い、報道を歪曲させ『キレギ』(キジャ(記者)とスレギ(ゴミ)からの造語。英語では、退廃したプレスとある)が蔓延ることになる。
  韓国のマスメディアでクローズアップされた共犯たちの姿は、日本のマスメディアを逆照射する。(H.K)

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