■ 【オルタのこだま】

『糖尿病との共生45年を読んで』       冨田 昌則

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  2月5日の定期検診で私は糖尿病と診断され大事をとって入院した。入院中は日
に3~5回血糖値を測定し、その都度インシュリンの注射が行われた。入院生活1
ヶ月は、1日2000キロカロリーの制限食で空腹を抑えきれず、ノンカロリーのと
ころ天などを補給して貰った。幸い経過も順調で3月12日に退院し、目下リハビ
リを兼ねてジヤガイモ植えなどの軽い作業をしながらの生活を送っている。
 
そこへ「オルタ」63号が送られてきた。まっ先に読んだのが、貴志八郎先生の
『糖尿病との共生45年から学んだ極意』だった。2度3度繰り返し読ませていただ
いた。共生45年から学んだ極意は重い。私の胸にジンと響いた。ともすれば禁酒
から解放され、やや量を過ごしやすい飲酒の量、空腹に堪えかねて、つまみ食い
する悪習など反省すべきことが多い。
  先生の貴重な経験に学び、われとわが身を大事に、大事に律していこうと心に
決めたのである。先生有り難うございます。

 もう一つ。編集後記で加藤編集長は高沢英子先生著の『京の路地を歩く』を取
り上げ、いずれ「オルタ」で言っておられる。この本のあとがきの部分で澤田章
子さんは"一読惚れのエッセイ"と激賞されているが、京ことばの味わい、祭りの
活気、路地裏の表情、京の四季と文芸を愉しむ珠玉のエッセイ集として「オルタ
」の読者の皆さんにもご一読をおすすめしたい。(未知谷社刊・2400円)
             (筆者は俳句結社「渋柿」同人代表)

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