■「父はなけれど、母もなけれど」を推す      富田 昌宏

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 「オルタ」24号に若林英二さんの『家族と友への遺言』(抜粋)が投稿の形で
掲載された。
 ご自身の戦争体験をもとに、反戦・平和を訴えた檄文である。これに感動した
調布市在住の今井正敏さんが、今年の「オルタ」新年号(25号)に、若林さんの
人となりと七期二十八年に及ぶ町長としての実績を紹介された。とりわけ強調し
たのは、太平洋戦争下の帝国議会で斉藤隆夫代議士が行った「反戦演説」を、公
的な場所に掲示したくだりであった。
 
 私(富田)はこれをコピーして若林さんに送ったところ、大変に感激され、こ
の文章を全文掲載の上、斉藤演説を記した印刷文を発行したいという。これは、
今井さんの承諾を得て実現した。題して「父はなけれど、母もなけれど」である。
 加藤編集長のご配慮により、その全文を「オルタ」27号に転載することが出
来た。感慨一入のものがある。
 若林さんは今年82歳。社会福祉法人『はくつる会』の理事長としてご活躍の
他、野州文藝界主筆として健筆を振い、著書8冊。さらに各地の講演会に招かれ
て地方自治の確立や社会福祉の充実を強調されている。
 また、かって扶桑社の『新しい歴史教科書』採択反対の先頭に立ち、今『九条
の会』の呼びかけ人として、各種の平和集会をリードされている。
 以下、若林さんが綴った「父はなけれど、母もなけれど」である。

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