■今月のことば 

「河上丈太郎演説」

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『私は長い追放生活を終えて、ようやくこうして諸君と相まみえることができ るようになった。私の公職追放は、私がある団体に関与していたからである。 私の真情をいえば、必ずしも進んでその団体に参加したわけではないが、今は 多くを弁解しない。諸君の中に、私の戦時中の行動に批判を抱く人がいたら、 どうか選挙を通じて厳正な批判を下していただきたい。また、この河上を許し てくれる人は、河上一個人のためでなく日本社会党の前進のために御協力いた だきたい』(1952年9月 神戸・湊川公園・総選挙立候補第一声)     明らかに自らの戦時責任を問う言葉であった。この総選挙には追放解除にな った戦前の多くの政治家たちが立候補したが、これだけ明確に自分の戦時責任 にふれて選挙民の審判を受けようとした人をしらない。

田村祐造著「戦後社会 党の担い手たち」