「オルタ」から「オルタ広場」へ

■「オルタ」から「オルタ広場へ」-つなぐ「信頼」-
                  前編集長・編集助手 加藤 真希子

前編集長・加藤宣幸が2月17日に急逝した後、同月末に幾人かの編集委員の方々に集まっていただき、今後のオルタのことを話しあっていただきました。編集委員の仲井さんには、3月号の「編集後記に代えて」において、「今後のオルタ継続の可能性についても議論したが、明確な方向は出なかった。オルタは加藤さん一代のものであり、その死を持って打ち切りにすべきだろうという見解と、若い世代を中心として、新たなオルタ再生を目指したらどうかという見解などに別れた。私見としては、継続を考える人々が中心となって、新たなメンバーを加え、どういう体制で続けられるか検討して頂きたいと思う。」と書いていただき、その後もいろいろな方からご意見を伺い、またご相談させていただきました。

私自身はこれまでサポーターとして「オルタ」を陰で支えてきましたが、その継続の如何については、編集委員の皆様のご意向に従おうと考えておりました。

そう思いながらも、加藤宣幸個人のメディアだから一代で打ち切ったらどうか、というご意見には少し違和感がございました。それは、ここ数年、氏が「オルタ」を若い方につなぎたい、と考え続けていたこと。さらに「時間をかけて積み上げてきた『人とのつながり』、そして『信頼』は、何ものにも代え難く、創りたくてもすぐできるものではない」とよく言っていたこと。小さなメディアながらも、メディアとしての「オルタ」の「信頼」についてもそのように考えながら続けてきたこと。それらをよく知っていたからです。それらを知っていながら発行を終了するとなると、今も前を向いて歩いているような、その遺影から叱られているようで、ずっと落ち着きませんでした。

ともかくつなげなければ、若い方に、という思いから、役割以上で、僭越ではありましたが、社会党史研究等のインタビューで交流があった、山口希望さん、岡田一郎さん、堀内慎一郎さんに編集事務局を担っていただくよう依頼し、この度ご快諾をいただきました。いずれも、私と同様に、「いいからともかくやってみろ」と加藤宣幸から言われているような気がする(であろう)方々です。

■何をどう継ぐか 

創刊から15年目となるメールマガジン「オルタ」自体は、代表・加藤宣幸の個性、その人生が色濃く反映されたもので、そのまま引き継ぐことは、継承する者が重圧を感じてしまう可能性もあり、ご支援いただいた皆様にも、つい比較をしてしまう可能性もあり、本意ではありません。

そのため、かつて加藤宣幸が「100号を歩んで」に書いた「平和のためのオルターナティブな発想を目指す」というその志と歴史を引き継ぐという意味と、「一人ひとり、自らが企画し、寄稿して守り育てる市民メディア」(同「100号を歩んで」)をより開かれた形で実現していければという願いをこめ、「オルタ広場」と名称変更をいたします。

名称を変えることで一つの区切りはつけますが、専従者がいるわけでもありませんので、まずは継続することを最優先に、最小限の名称変更のみで船出をさせていただきたく思います。

●具体的には、

・5月20日よりメールマガジン「オルタ広場」改題1号(通算173号)として発信
・WEBサイトはアドレスもそのままで継続する(タイトルのみ変更予定)
・巻頭の原稿は、新編集事務局を中心に毎月最低1本は企画して、原稿依頼などは行う
・編集部メールアドレスはそのまま編集事務局連絡先として利用(alter@alter-magazine.jp)
・編集委員につきましては、引き続き、ご相談にのっていただけるようにさせていただければありがたく存じます。

●連載について

連載につきましては、できましたら、従来どおりの継続をお願いしたいと考えております。
どうしてもご無理な場合は編集事務局へご連絡お願いいたします。

●随時、企画・投稿のお願い

今後は、皆様のお力を借りながら、内容を充実させていければ何よりと考えます。ぜひ、随時、企画や投稿などでご協力ください。また、新編集事務局も月1回程度の打合わせは行いますので、ご意見いただければ幸いです。

「オルタ」は、メール発行機能以上に、執筆者相互のコミュニティができたことがまた大きな価値になってきたことと思います。皆様とも様々につながりを持つことによって、豊かになり、それをさらに広められれば、それもまた、「オルタ」を発行してきた意味になると考えています。折に触れ、情報提供や懇親などの機会をいただければありがたく存じます。

「オルタ広場」はどのような形になるか、どう形成されていくかイメージできていません。ただ、メールマガジン「オルタ」の創刊当初、数人の執筆者、数人へのメール配信から始まったと聞いています。その時よりも、多くの方に見守っていただき、出航ができることをありがたく思っています。

皆様からぜひ忌憚のない自由闊達なご意見をいただき、メールマガジン「オルタ広場」としての生まれ変わりを見守っていただき、支え、充実させてくださいますよう、どうぞお願い申し上げます。

最後に、昨年末に加藤宣幸ががひ孫へ送った誕生日メッセージを紹介させていただきます。
「人生には素晴らしいこともつらいことも重なるようにやってきますが、
いつも前に向かって進めば道は必ず開けるものです。」
  それを信じて、進むことをご支援いただければ幸いです。
  今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(2018.05.20)

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