メールマガジン「オルタ」 第12号 (05.2.20)            

12-1 12-2 12-3
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- 『社会運動は世界を変える』 若者はNGO,NPOを目指す- ==================================================================
■1、NGO BAHNの活動について 篠原浩一郎
■2、21世紀型生協について 下山 保
■3、寒梅先生訪問記     加藤 弘道
■4、投書; 今井 正敏    皆川 昭一
■5、書評:「氷川清話」 勝 海舟 加藤 宣幸
■6、俳句    太田 零々子    富田 昌弘
■編集後記;  

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■4、投稿

   皆川 昭一   今井 正敏
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投稿:皆川 昭一
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  加藤編集長&スタッフの皆様

  河上民雄さんと加藤さんとのインタビューは圧巻でした。

  戦後だけではなく、明治開国以来のスパンで見たうえで

  戦後60年およびそれに続いて動いている現代史の流れ

  を俯瞰する必要性を考えさせられました。河上先生の

  巨視的な米中日、それに朝鮮、ロシアをいれた東アジア史の

  根底に流れる衝動のようなものは何かもっとお聞きしたいと

  思いました。司馬史観とは違った視点からのアプローチも

  もっと展開してください。

  前回の工藤氏の力作尾崎秀実論は昭和10年代史を総括する

  ものとして受けとりました。加藤さんの問題意識に沿いながら、

  今後さらに読み応えのある内容になるものと期待しています。

   みながわ

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投稿:今井正敏
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  「オルタ」10号、11号に掲載された中野紀邦氏の「巷間見聞録」(上)

  (下)を読みましたが中野氏の観察眼と洞察力とによる気候変動から人生

   最後のお墓にいたるまで実に多種多様の巷間の変化の実態をルポされて

   いるのに感服しました。

  その昔、毒舌とヤジ馬根性で鳴らした大宅壮一氏が昭和9年頃(1934年頃)

  「東京音頭」が大流行した世相を捉えて、日本の社会の動きを痛烈に批判

  されたのを読んだことがありますが、大宅氏が存命ならば、この「巷間見

  聞録」を高く評価したのではないかと思われます。

  「千年単位の激変」と見られている現在の社会の変化を「そうした変化は

  何が要因になって起きるようになったのか」という視点で見つめてみると

  一層この変化の実相がつかめると考えました。

  勿論、この要因は単純なものでなく、いくつかの要素がからみあったもの

  であることは承知しておりますがあえて、2点ほど上げて見ますと一つは

  「時代の流れの必然性」もう一つは「国際化の流れ」というものを取り上

  げて見ます。

  「見聞録」にあった「気候変動と人心の変化の同調」については文中に、

  気候の変動は地球温暖化と思われるとあるように、この温暖化が大きな要

  因になっているのは確かだと思います。「京都議定書」が指摘しているよ

  うに「時代の流れの必然性」から生まれた問題だと思われます。

  次に「過密過疎の進行」問題では街の商店街ではシャッターがおりている

  店が増え、近郊のベッドタウンは人影が少ないということですがこれも

  「車社会になった」と指摘されていますが、これも「時代の流れの必然

   性」ということでくくれると思います。

  「女性がスカートを拒否してシャツにズボンそしてスニーカー姿」という

  ことについて。」の中で見ても同じ状況が見られるのではないでしょうか。

  「食べ物」「住まい」、男女の「中性化」などの変化も「国際化の流れ」

  が大きな影を落としていると思われます。

  以上のほかにも「時代の流れの必然性」。「国際化の流れ」ということで

  くくれるものがあるように思われます。

  いずれにしても見方を少し変えるだけで、この中野氏の「巷間見聞録」は

  深みを増し、興味をそそり、感服の度を高めると思いますので続編を期待

  しています。

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■5、書評:「氷川清話」 勝海舟著   江藤 淳・松浦 玲編

      講談社学術文庫 1000

                           加藤 宣幸
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  『氷川清話』とは勝海舟が晩年、赤坂氷川の自宅で歯に衣を着せず語った

  時局批判、人物評を1冊の本にまとめたもので、明治以来、幾つかの版元

  から刊行され、広く読まれている有名な本である。とくに吉本襄編『海舟

  先生―氷川清話』(以下吉本版という)は「読みやすくリライト」され、

  読者層を広げたので読んでいない人でも、このタイトルだけを知っている

  人が結構多い。

  なにしろ、幕末から明治にかけての歴史ドラマのなかでドラスチックな役

  回りを演じた勝海舟が自身の数奇な体験を語りつつ、西郷隆盛・横井小楠

  ・佐久間象山・藤田東湖・徳川斉昭・木戸孝允・坂本竜馬などなど幕末・

  維新で活躍した面々から清国の李鴻章・朝鮮の金玉均・フィリッピンのホ

  セ・ラモスなど東アジアの人々にいたるまでの人物論と明治政府にたいす

  る時局批判を歯切れのいい江戸っ子弁で語り・論じるのだから面白くない

  わけはなく、あらためて紹介するまでもない本なのである。

  ならば、なぜ紹介するのか。

  それは先月の「オルタ」11号で河上民雄先生が勝海舟の日清戦争反対論に

  触れられたからである。

  河上先生は、私たちが日本の近現代史を考えるとき、良くも悪くも日露戦

  争で勝利したことがその後、大正・昭和の日本を形つくり最後は1945年の

  敗戦でリセットされるという歴史観、俗に「明治はよくて大正・昭和は駄

  目だった」と理解されている「司馬史観」にたいし、『日清戦争から過ち

  は始まっていたのではないだろうか』と問題を提起された。

  先生は『日清戦争は近代日本が戦った始めての対外戦争であるが、良く知

  られているように日露戦争には非戦論があったが日清戦争には非戦論とい

  うものがなかった。とくに自由民権派は対外強硬論一色で尾崎行雄もそう

  であり、内村鑑三でさえ福沢諭吉の「文明と野蛮の戦争」という論理を使

  って賛成したくらいである。こういう状況の中で勝海舟だけがはっきりと

  反対し、さらにすごいのは戦争に勝ったあとでも「みんな喜んでいるけれ

  どとんでもない、戦争というものは勝ったり負けたりするもので、そのう

  ち日本が逆運にめぐり合うのもそう遠くないよ」と警告しているところで

  す』と指摘されている。

  勝海舟といえば最後の幕臣として西郷隆盛との談判によって江戸城の無血

  明け渡しを実現し、また咸臨丸の日本人艦長として始めて太平洋を横断し

  たことは、日本人なら誰もが知っている史実である。しかし、その勝海舟

  が日清戦争に反対したということは案外知られていない。

  私自身もだいぶ前に「氷川清話」を読んだ記憶があるのに、その印象が残

  っていなかった。

  河上先生の御指摘を受けた時、これは私の問題意識がなく読み流したもの

  と反省したが、ここに紹介する『氷川清話』 勝海舟著 江藤 淳・松浦

   玲編(以下松浦版という)の編者松浦玲氏の「解題」によって隠れてい

  た次の事実が解明された。

  驚くべきことに、明治以来もっとも広く普及していたと思われる「吉本版」

  では勝の「日清戦争反対論」は本文から削除されていたのである。

  「松浦版」の初版は200012月だから、それ以前に私が読んだのは当然

  「吉本版」ということになる。「吉本版」のリライト・改竄によって、な

  ぜこの重要談話が削られたのか。

  松浦氏はまず、「講談社版全集(勝海舟全集刊行会)21巻として編集し

  た『氷川清話』を基礎にしながら「吉本版」の勝手な書き換え、真意の歪

  曲などを徹底的に洗い直した」結果、吉本版には吉本が直接海舟から聞い

  た話はごく僅かしか含まれていなくて、大部分は明治20年代から30年代に

  かけての新聞や雑誌に個別に発表された海舟談話を寄せ集めて分類・編集

  し文面を自己流にリライトしたものであることを明らかにした。

  そして、リライトによって漢語調や文章体の談話を読みやすくした意欲を

  認めつつも、第一に吉本の力不足による読み間違いや悪意の無い書き換え

  、第二には意図的な計算ずくのつくりかえがあったことを指摘している。

  「日清戦争反対論」の削除は第二の種類の改竄すなわち意図的なつくりか

  えにあたるという。松浦氏はこれについて「海舟の痛烈な時局批判、明治

  政府批判はあらかた削りとられ、首相や閣僚を名指しで攻撃している談話

  が、まるで世間一般を訓戒しているような抽象的道徳論にすりかえられる。

  大臣の名前を差し替えて、別の内閣について論じているようにみせかけた

  ものもある。海舟の意見が、吉本のつごうで、吉本の思想や吉本の人物ス

  ケールに合せてつくりかえられてしまっているのだ。そうして思うように

  書き変えられない性質の談話は初めから収録を見合せている。日清戦争の

  最中に戦争に反対した談話がそうである。」と明確に論証されている。

  (詳しくは松浦版の解題に譲る)

  海舟という人物や思想を知る上では勿論、日本の近現代史の研究にとって

  も大きな影響をもつ発言を収録しなかった編者吉本襄氏の改竄は到底納得

  できない。

  なお、削除された「日清戦争論と中国観」には『日清戦争におれは大反対

  だったよ。なぜかって、兄弟喧嘩だもの犬も食わないじゃないか。たとえ

  日本が勝ってもドーなる。

  日本は支那と組んで商業なり工業なり鉄道なりやるに限るよ。

  一体支那五億の民衆は日本にとっては最大の顧客さ。また支那は昔時から

  日本の師ではないか。それで東洋のことは東洋だけでやるに限るよ。

  おれなどは維新前から日清韓三国合従の策を主唱して支那・朝鮮の海軍は

  日本で引き受くる計画をしたものさ』と談じているのは今日の情勢から見

  ても示唆の大きい発言である。

  北東アジアの連帯と平和の確立が模索されている今、現代日本人が先哲勝

  海舟に学ぶべきものは実に多い。是非、松浦版(講談社・200012月初刷

  ・20041214刷) の一読を広く薦めたい。

                             加藤宣幸

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■6、俳句;                            

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「いまの時代」に生きている俳句を    太田 澪々子
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    軍隊の近づく音や秋風裡      草田 男

    降る雪や明治は遠くなりにけり   草田 男

  中村草田男師は、高浜虚子らの「ほととぎす」の花鳥風月を詠むだけでな

  く、人間探究派といわれる。この派は単に自然の写生主義や叙情に満足せ

  ず、ひたすら人間性の回復を念じて作句している。

  当時、日本全体が戦争体制に組み込まれていたので、人間そのものを詠む

  以外に方法がなかったのかもしれない。

    萬緑の中や吾子の歯生え初むる   草田 男

    ついに戦死一匹の蟻ゆけどゆけど  楸 邨

    女来と帯纏き出づる百日紅     波 郷

  これらは人間の歓喜や業苦を凝視し、発想した作品で、当時の新興俳句が

  なし得なかった「人間回復」であった。

  しかし、この派でさえ戦争の激化とともに言論統制が激しくなり「京大俳

  句事件」でメンバーが検挙されたほどで、これら先輩の俳人にとって苦難

  な時代であった。

  戦後、言論は自由となり、俳句人口は全人口の1割もいるといわれるほど

  活況を呈した。しかし、一面、技巧に走り、点取り主義が横行しだした。

  本当の俳人は志を持つものでなくてはならないと思う。

  美しいものを美しいと詠むだけでは駄目だ。生きざまがないと意味がない。

  さらに進んで、単に人間探求だけでなく「いまの時代に生きている」とい

  う面からその時代の政治、社会などの断面を抉った俳句をつくりたいと常

  に思っている。

  しかし、時事俳句はややもすれば川柳におちいり易く、詩情が生まれてこ

  ない。

  私はいつも時代の流れを鋭く衝いた俳句を作りたいと思っているが、言う

  は易く、実行はともなわなく、苦吟しているのが実情である。

  最近、その意味でつくった私の俳句で「萬緑」に掲載された私の句をお恥

  ずかしい次第ですが参考にのせさせて頂きます。

   無辜の子を救う術なく栗拾ふ

   開戦日鴨いっせいに着水す

   音たてずわれ皮を脱ぐ竹となる

   囀りやわれ口舌の徒で終えん

   昭和史読むわが青春や吾亦紅

   秋観音千手はいらぬ筆一本

   地雷なき豊葦原の露を踏む

   歯には歯の自爆のテロや蛇穴に

   「イラク戦争やめろ」と苺噛みつぶす

   木犀の金銀あれば足る暮らし

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俳句                  富田昌宏
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   春立つや壁の野良着のかがみぐせ

   初蝶の越ゆる一つに鍬の音

   春暁にまみれてあがる畑仕事

   春風邪を妻に貰いし凡夫かな

   紫雲英田の尻から入れて耕転機

   菜の花や繰り返し読むサザエさん

   たんぽぽや木椅子一つの停留所

   書架に古る鉱山哀史春寒く

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■編集後記

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  ☆いまや、ますます拡がる先進国と発展途上国との経済格差・深刻になる

   途上国内の貧困問題・国境を越える環境破壊など地球規模で起きてくる

   さまざまな課題に対して、国際機関や政府などの公的組織だけで対応し

   きれなくなっている。

   この役割で期待されているのが民間の非営利・非政府組織(NPO・N

   GO)である。

   日本国内でも辻本議員らの努力によってNPO法が成立して以来、にわ

   かに非営利法人の設立は活発化し、震災救援活動などでの活躍も目覚し

   く国民からも次第にその活躍を注目されてきている。今号では私の古く

   からの知人篠原氏にNGO、下山氏にNPO(生協)の体験と夢を語っ

   て貰った。

   日本の将来を担う優秀な若者たちがNPO・NGOについて認識を深め

   、その専従活動家・経営担当者への途に一人でも多く参加して貰いたい

   ものである。

  ☆11号の河上インタビューについて皆川氏から高い評価をいただいたが、

   他にもまだ詳しくお伝えできないが先生の歴史観に共感する動きが拡が

   っている。

  ☆中野氏の鋭い異色の社会観察記「巷間見聞録」(上下)についても今井

   氏から続編期待の投書をいただいた。いずれ御要望に応えて頂くことに

   したい。

  ☆今月は新しいジャンルとして加藤弘道氏の「梅窓先生訪問記」を載せた

   が読者からの感想を頂きたいものである。

                               加藤宣幸



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